容姿・経歴・その他メモ

名前元ネタ
シルマコーカ
世界最強のカブトムシことコーカサスオオカブトの学名
Chalcosoma chironのアナグラム。Chalcosomam➡Shlmacooca

サードック
世界最強のクワガタムシことパラワンオオヒラタクワガタの学名。
Dorcus titanus palawanicusのアナグラム。 Dorcus➡Surdoc

始 ～羽虫の追想～

かつて、彼は弱き甲虫の一匹でしかなかった。
彼のいた森では力が全てであり、彼はそこで淘汰されていた側の生物だった。
暫くして、彼には友と呼べる男が出来た。名は「立樹」。
友とは毎日のように戦いに明け暮れ、共に切磋琢磨し、あと少しで「王」の喉元に届くという時に"それ"は起こった。
果たして「王」と相まみえようとしたその時、森が赤く燃え上った。
「王」は彼と友を突き飛ばしこう言った。「ここから逃げろ、次に"繋げる"んだ」
彼と友が二の句を告げる前に「王」は燃え盛る木に押しつぶされ、逃走を余儀なくされた。
刹那、黒いローブを着た人間の老人が彼の目に映った。この燃え盛る森を見て独り嘲笑う老人が。
一心不乱、怒りを力にし無謀と理解しつつもかの老人に立ち向かうが角立たず、遂には折られて無に還る。
死する一撃が自らに放たれようとした瞬間彼と友は突如頭上に開いた【門】に引き寄せられた。
なんの目的か、なにが必要だったのか。門と老人について彼はわからぬまま、気が付けば門の外に放られた。
見渡せど知らぬ場所、友も居らず。あるのは寂れた道場と草臥れた中年。
中年に問いかけた。「逞しい角を携えた友を知らないか」
瞬。
言い終わらぬうちにあっという間に間合いを詰められ
あれよあれよと背負い投げられしまいに立派な刀を向けられ「まず自らの名を名乗らずに訪ね事とは無礼なるぞ。」
久しく敗北を味わっていなかった彼にとってこの邂逅は運命に等しかった。だが名が無い彼には名乗ることは出来なかった。
「無礼を承知で、申させてください。この身に名はありません。なので今からこう呼んでください」
【シルマコーカ】と。
かつての「王」の名を名乗り、彼はこう叫んだ。「私には力が足りない。私の師(せんせい)になってはくれないだろうか」
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現在。

「師(せんせい)の教えられた武術は終ぞ極ることが叶いませんでした。ので、拙者はこれから長き長き人探しと向こう見ずの復讐の旅に出てまいります。帰りは...わかりませぬな」
そっと微笑み、小さく、みすぼらしい石の墓標に藍い花を添えた。
師は老衰にて絶え、もはや道場にいる意味は無くなり拙者は旅に出ようと決心した。
友を探すため、あの老人を討つ為。様々な目的は拙者の中に渦巻いているが、あの敗北を味わい、強き者と戦う
快楽を知ったからにはもうひとつ、行くべきみちが出来た。
「誰よりも強い武士(もののふ)へと至る」
強さによる名声を得ることが出来ればきっと友に、仇敵に、必ず辿り着く。自ずと道はひとつに"繋がる"。そう、考えた。
さて、拙者の旅はここから始まるのだ。
「師を越える事、友を探す事、かの憎き仇を討滅する事。全て"繋がる"で御座るな。強く成ることが、拙者の全てになる。」

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