名前：悪満宮　聖
年齢：１６　性別：女　血液型：AB型（RH-）
誕生日：１２月１９日　星座：射手座
趣味：一人旅　スイパラ　映画鑑賞（スプラッタ系）
好物：派手な色の菓子　激辛料理
嫌いなもの：饅頭　生の食べ物（生魚・生野菜・果物等）　得体の知れない液体
犯罪歴：なし
家族構成：父

「信じる者は救われる」というのが母の口癖だった

私が幼いころ両親は離婚した。今思うと間違いなく母が原因だったが、私の親権は母に移った。
金遣いが荒く、自分の事しか頭にない母。
パートで働くだけで不幸だと騒いだ。ママ友に金をたかっては距離を置かれ「みんなが私を虐めるの！」と泣き叫んだ。
私が小学校に入る頃にある宗教にのめり込み始めた。
その頃から、私は普通じゃなくなった。

小学生の頃に友達と遊んだ記憶はない。宗教の勧誘に連れられていた。
自然由来が至高だか何だか言って、食卓には生魚と生野菜しか出なくなった。
無料で打てるワクチンがあればかからない病気で、２回生死の境をさまよった。
母は入院費の支払う度に病院に怒鳴り、救急車を呼んだ学校に怒鳴り。
病院に支払う５倍の金を笑顔で教祖に支払った。退院した私に「私の祈りが通じた」と向けた笑顔が気色悪くて仕方がなかった。
お爺ちゃんの遺産も父からの養育費も、母の言う「救い」のために消えていった。

宗教の偉い人に何度か会った、全員笑っていた。
母は彼らの前か献金を払うときだけ笑顔だった。
私は一度たりとも心から笑ってはいなかった。

私が中学生になったころ、突然食事が豪華になった。
生臭い魚や泥のついた野菜ではなく。肉や乳製品が並ぶ。
まるで普通の家のような食事に目を輝かせた私に、「私が祈りを捧げたから、神が恵みをくれたのよ」母は笑顔で言った。
やせ細った体が同級生のような年相応の体つきになっていくことに、鏡の前で喜ぶことが日課になった。

しばらく後、母の居た宗教組織が未成年淫行と脱税で逮捕され、母も逮捕された。
児童相談所から連絡が行ったのか10年ぶりに父に会い、手続きと怒鳴り合いの末私の親権は父に移った。
「せっかく教祖様が聖を見初めてくださったのに！」
それが最後に聞いた母の言葉。連れていかれた彼女の罪状は淫行教唆だった。
部屋にあった鏡は、その日のうちにすべて捨てた。

ごめんなと泣きながら謝る父の胸の中、生まれて初めて私は泣いた。
「普通ではなかった」私は、ようやく「普通の女の子」になれた

新幹線で3時間の場所に引っ越し、今では父と二人で遅まきながら普通の家族として暮らしている。
私が知ったことは二つ。
「他者からの施しや救いには必ず理由がある」ということと
「神様」も「神様に救いを求める人」も、くそったれのろくでなしだということだ