容姿・経歴・その他メモ

「妖魔の軍の運用は悪！罪なき者の村を焼くも悪！どんな理由つけようとも許されるものですか。」

銀の瞳に白い肌、赤い目以外はルーチェと瓜二つの少女。彼女の双子の姉にして“闇の巫女”
俯き加減の修道服姿で顔は伺えず、どこか虚ろな印象を与える少女。その存在は帝国でも秘されており、三将軍位しか知らなかった
ルーチェとは産まれて程なく分かれたようだが、再会後も互いに姉妹であることは感じ取れたようである

真実はルーチェと共に陰陽成す聖剣の巫女の片割れとして生まれた魔の者であり、ヒューリンとして生まれたルーチェと異なり、種族的にはヴァイパイアの転生種、アルカードである
魔蛇ともされる鱗持つ蛇の王、ミドガルズオルムの寵愛を生まれながらに受けており、魔の力が強く、その力を人族に向かわせないために「生と死の教団」において幼少期から魔狩りの流儀を叩き込まれた少年兵
幼い頃は過酷な訓練を経て相当に荒んでおり、生き別れた『光』の妹へ憎悪を募らせていた……が、９年前に帝国に闇の巫女として拾われたことを転機として大きく状況が一変する

秘中の秘として囲われてはいるものの、強力な魔術と魔狩りの術は当時の帝国としても上級の戦力であり、すっかり狩人としての色に染まってた彼女のうっぷん晴らしも兼ねて、冷徹卿マリーア軍の作戦行動にお忍びで参戦したことを皮切りに、数年もすると三将軍の秘蔵っ子として可愛がられるようになった
新しい兄姉達と皇帝の寵愛を受けて荒んでいた心も徐々に癒されていき、悪を挫き弱きを助ける（やや潔癖気味な）高潔な少女騎士へとマインドも変わっていった。中でもマリーアとユースティは心の底から信頼を寄せており、彼女にとっては特別な存在
特に聖騎士としてありながら、魔の血が流れている彼女のその手に触れて、生きるための言葉をくれたユースティには年頃の少女らしい思いも寄せている……が、思いを伝えられてはいない
またこの頃に女神クローヴィスの加護により、光輝の鎧セレスティアル・オルタ（勝手に呼んでるだけ）を授けられている

状況が変わったのは約１年前、皇帝は聖剣解放のために彼女に妹である光の巫女ルーチェの捜索を命じ、運命の指輪、クラダーリングの導きによってコレカ・ラモエル村にいることを突き止める。再会に胸躍らせる彼女だったが、帝国はルーチェの存在を秘すために村の焼却と略奪を敢行
また時同じくして、リタ率いる帝国妖魔軍の存在を突き止めた彼女はこの二つの件について、セダン皇帝に烈火の如く詰め寄り、自爆も辞さない覚悟で真意を問いただしたが、ユースティの手によって押し留められ、デスキスによって記憶を封印された―その結果としてあるのが現在の彼女、闇の巫女シャーディである

というように記憶を消されている現状では、どこか茫漠で自我が希薄な彼女であるが、本来の性格は騎士然とした正義感に燃える委員長気質の少女。マリーアに憧れロールモデルとして慕っていたのと闇狩り時代の影響で、ダメなもんはダメと切って捨てる猪突猛進な苛烈さを備えており、その正義を象徴する青い猛火と鎧の輝きをもって敵を殲滅する『帝国の秘密兵器』であった
とはいえデスキスの記憶処理は完璧であり、獄に繋がれたとはいえ皇帝への忠誠を捨ててない彼がその戒めを解くことはないだろう
聖剣解放の大任を果たした彼女は、現状に違和感を覚えることなく、巫女として王国で余生を過ごすことになるのであった

……余談だが、牙持つ動物の王、フェンリルはその昔、女神クローヴィスにより、“フローズヴィトニル（悪評高き狼）”とされー黄金の鎖『グレイプニル』で括られ正気を取り戻したため、彼の寵愛を受けしものはその憤怒と、それを戒める鎖を手にもって世に生まれてくるという伝承がある
また、一説によればシャーディに加護を与えた動物の王、ミドガルズオルムはフェンリルと兄弟であるともいう
これらの与太話が、もし、もし真実であるならば―フェンリルの寵愛を受けしものは、ミドガルズオルムの寵愛を受け生まれたシャーディは魂の上で兄妹といえる

かつてシャーディは、かの蛇の寵愛をその身に一身に受けたがためにルーチェの元から引き離された
それと入れ替わるように、ルーチェを守り寄り添わんとした、憤怒と鎖持つ人ならぬ者が現れたのは、偶然だろうか？
そしてその者が聖剣解放を見届けるようにして、憤怒から解き放たれ戦場に命を散らしたのも、偶然か？
それもまた、運命の女神（アリアンロッド）の導きであるというのならば、―かの狼の兄妹が舞台から降りたのならば
運命の輪は、また彼女が舞台に上がるよう、再び回りだすのかもしれない

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