容姿・経歴・その他メモ

父親は神官、母は錬金術師という少し異色の親を持つネヴァーフ。
それ故に両親はセッカに自身の職業のスキルを教えていた。

例えば、
父は、セッカが幼いころから毎週教会に連れていき、七大神への祈りや聖書の復唱などを行い、信仰心を芽生えさせた。
母は、仕事が休みの時は錬金術の基礎を教えたり、時には王国錬金術協会へ連れていき、自分が行っている医療関連の研究を見せたりして、錬金術の技術を身に着けさせた。
両親が自身のスキルを教えたのは、彼女が成長して職に手を付けようとした時に、路頭に迷わないようにする為である。

15歳ごろ、いつものように母と共に王国錬金術協会に行ったとき、騎士広場を貸し切って行う闘技大会が開かれていた。
その大会は大変有名であり、最強を決める為に4年に1度だけ開かれるものである。その為、大陸を超えてグランフェルデンに多くの最強候補が集結していた。

そんな有名な大会である。もちろんセッカも見に行った。

セッカが着いたころには既に最終戦直前であり、この試合で最強が決定するのだ。
1人は屈強な肉体を持ちながらも、しなやかな体つきをしている剣使いの男。この大会の常連であり、準優勝経験もあるそうだ。
その対戦相手は……ものすごく異彩を放っていた。
その人物は、身長は120㎝程の小柄な身体でぼろ布のローブを纏っており、如何にも怪しそうであった。

ーーそんな2人が戦う最終戦。
約30分の長期戦の故、疲れからか僅かに見せた隙を狙った一撃を決めたのはーーローブの人物であった。
これには、会場の空気もざわつく。
それもそうだ。
身長故のパワーや攻撃範囲においては完全に男の方に軍配が上がっていたのに。
その彼が負けるとは誰も思ってなかっただろう。

……セッカは魅せられた。あの人物に。
あの人物は小柄ながら、他を圧倒する闘士である。

セッカはすぐに後を追った。
ローブの人物は優勝賞品も受け取らずに騎士広場を後にしようとしていた。

セッカは尋ねる。

「ローブの人！」

尋ねた瞬間、ローブの人物は立ち止まる。

セッカは続ける。

「あなたの戦いを見ていた！」
「とっても大胆でいて繊細な戦い方！本当にすごかった……！」

ローブの人物は振り返り、セッカの方を見て答える。

「おお！お前見る目あるなあ！」

……？

「そうなんだよ！最初は大振りの攻撃で一発KOしようと思ったんだけどさ～。
「やっぱりあの大会の参加者は強いわ！すぐに見切られちゃった！
「だからさ～今度は力任せじゃなくて、素早さで圧倒しようとしたんだよ！
「そしたらさ～！相手もアタシの速さに付いてくるんよ！
「じゃあもう考えられるのはスタミナ勝負って訳よ！
「そんで、それが見事にハマったんだ！！
「いやー！もう焦ったよね！
「マジで危なかった！
「そういえば自己紹介まだだったわ！
「アタシは『ミキ』！
「あんたの名前は？

なんか思っていた人と違う……。
もっと、他を退けるような人かと思っていた。

「私はセッカ。」

「セッカか！いい名前だな！」

ミキは続ける。

「それでなんか用か？」
「感想言うためにアタシについてきたんじゃないだろ？」

セッカは答える。

「私に戦い方を教えてくれ！」

「いいぞ！」

「私は、いつの日も教会と錬金……えっ？」

「だ～か～ら～！いいって言ってるんだよ！」

あっさりと承諾された。
一瞬の回答に戸惑っていると、

「ほら、行くぞ。」

「えっ」

「修行するんだよ！ついてこい！」

こうして、なんだか奇妙な修行の旅が始まった。

ーーそして、3年後

セッカが修行している最中、ミキは突然しゃべりだす。

「よし！そろそろだな！」

セッカは戸惑いながら

「えっ、何が？」

ミキは答える。

「何がってなあ……。お前ももう戦い方の基礎は十分身に付いただろ」

「ああ。」

「だからな！次は自分の戦闘スタイルを見つけ出せ！」

「どういうことだい？」

「あのな、何もアタシの真似をすれば強くなれるって訳じゃない。」

「そうなのかい？」

「そうだ。そんなんだったら誰でも最強になれちまうよ。」

「それもそうだ。」

「だから、これからはお前独自の戦い方を見つけ出すんだよ！」

「でも、どうやって？」

「質問の多い奴だな！そんなんは自分で見つけ出すんだよ！」
「その為にセッカも冒険者になれ！」

「私が……冒険者に？」

「そうだ！」
「冒険を積んでいく中でお前に合うもんを見つけるんだ。」
「そして、最終的に自分のスタイルを見つけて、極めた時にもう一度私に会いに来い。」
「ーーそん時は、ガチで相手してやるよ。」

セッカはその言葉に闘志が沸き上がった。
「分かった。」
「私は、冒険者になる。」
「そして、あんたに勝つ！」

「その意気だ！」


こうして、彼女の修行の旅は始まりを告げる……。

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