時は現代、とあるシノビの世界にて。とある妖魔対戦(シナリオ)の最中、自ら忍神の力を手にし世界を救った少女がいた。

齢11歳で上忍まで上り詰め、妖魔(バケモノ)への復讐心だけで戦い続けた少女。
その願いはただ一つ。「妖魔の軍勢に単身戦い続け、目覚めることのなくなった双子の兄の覚醒」。

兄「六路木　啓(ろくろぎ　あきら)」は、亡き両親と妹の為、数多の妖魔を討滅し続けた少年だった。

手にしたのは忍神の力。その一端。天上天下を操るに相応しき、その力。
しかし、神の力の断片を以てしても、双子の兄を目覚めさせることは叶わなかった。

…少女は望まない。争いも、世界を乱す気も。

彼女は思う。少女は想う。

きっと、私が完全な忍神に目覚めたら、各流派は私のことを狙いだす。
みんなに迷惑なんてかけられない。だから…

……この件が終わったら、私はどこにも居なくなる。

兄(あきらくん)がいつか目覚めたら、私は死んだって伝えて。

兄(あきらくん)は喜ばないだろうけど、復讐鬼の結末なんて。そんなものだよ。


……天上天下の力で世界を流浪し、流離い。兄を目覚めさせるという目的だけは抱えたまま。
この世界で再出発を決めたのが、少女「ミチル・ロクロギ」である。