君は侵略者によって故郷の世界を追われ、エリンのある神社近くの洞穴へとたどり着いた。体が弱り、霊体が消えかかったところに1人の少女“シオン”が駆け寄ってくる。眩いまで輝く星が綺麗な夜だった。

目を覚ますと君の体は元に戻り、洞穴の中で横たわっていた。無邪気に君の復帰を喜ぶ少女はシオンという名を名乗り、家の人間には内緒で来ていることと、この洞穴から出てはいけないと伝え、洞穴をあとにした。何かに見つかってはいけないと少女は言っていた。

その日から少女は毎日1時間ほど、君の下へ話を来るようになった。少女はたくさんのことを語った。そのどれもが些細なことであったけど、仲間を失ったこと君の心を癒すにはちょうど良かった。この時間は君にとって大事な時間だった。ある時、君たちは故郷の話をした。少女は故郷の綺麗な景色の話をしたが、あまり思い出せないようで残念そうにしていた。そこでふと、君をここへおいやった侵略者が何であったのか、はっきり思い出せないことを自覚した。

そこから1年の時が経ち、君はようやく1人で動けるようになった。その記念に、少女は君に綺麗で不思議な結晶の耳飾りをプレゼントしてくれた。少女はそれと同じ結晶の髪飾りをしていた。

しかし、その時期と同時に少女が君のところにくる頻度は減った。持ってきてもらった本を読んだり体を動かしたりして時間を潰していた君だったが、少女が来なくなってしまったことで、シオンを探しに出ることになる。

厳重な警備の神社に霊体で足を踏み入れると、そこで君は邪神を身に降ろす実験報告書を見つける。地下室へとたどり着いた君は、嫌な予感が的中したことを確認することになる。

そこにいたのは大人たちと血にまみれた少女。君は我を忘れて君から大切なものを奪う“敵”を一掃した。

シオンはもう持たない。そう確信したが、諦められない君は奇跡を起こす。気が付けば。魂が揺さぶれるような強い力が己の中を流れ、少女との繋がりを感じたかと思った時には、シオンは君の耳飾りと少女のしていた髪飾りに二分されて収まった。少女は一命を取り留めた。その代償はあまりに大きく、少女は君と外の世界を見たかったという願いを残して、いつ目覚めるかもわからない長い眠りについてしまった。

その場に張り付いたように動かせなくなった耳飾りを置いて、君は旅に出た。目的は問うまでもない。少女の目覚めだ。