容姿・経歴・その他メモ

外見はエルダナーンの若い女性。だがその中身は還暦直前まで剣の道に生きた現代の侍。

といってもその本質は武士道の精神からは遠くかけ離れた悪鬼羅刹のたぐいである。
彼は真剣を振るうことに幼少期より憧れを抱いていた。重く鋭い刀で人を斬ることこそが夢だった。

しかし、現代日本でそれは許されていなかった。また、彼は己の理想を実現するにはいささか善性を持ち過ぎていた。
遵法精神と欲求の狭間で悩み苦しむこと数十年が経ったある日。チャンスはやってきた。

真剣での演武を披露した帰り道でのこと。銃を持った男が人を殺す現場に遭遇した。

——今なら正当防衛が成り立つかもしれない。

そう思ったときにはもう刀を抜いて男に斬りかかっていた。しかし、剣を振るうより先に銃弾が命中。そも、自分が鍛錬してきたものは殺人剣ではなかったのだ。致しかたなし————と諦めの境地の中、彼は命を落とした。

そして、次に目を覚ましたときにはエリンディル大陸西方のエルダナーンの森の中だった。
彼はエルダナーンの女性として生を受け、そしてある時、東方世界にサムライがいると知る。

この世界でなら、刀を——真剣を振って傷つけても(命を奪っても)、（相手さえ選ぶのなら）誰にも咎められはしないと。

それからの行動は早かった。出立の準備を整え、森を出て、東方世界へと向かう。大変な苦労もあったが、その果てに到達した東方世界でサムライに師事し、そしてこの世界での剣の振るい方を習得する。

一旦の目的は果たしたので、エルダナーンの両親を安心させるためにエリンディル大陸西方へ帰還。故郷に帰ってから、あらためて冒険を開始する。

生き物に真剣を向け、振るうことが許される毎日。この細やかで確実な幸福を可能な限り長く、維持するために。

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