ヴァルト Wald

魔剣を探す旅の途中、ブルライト地方の一都市アスターグレイを訪れた。
人が多く行き交うこの街でしばらく情報を集めてみようと考えたためだ。
また、旅の途中に知り合ったティエンスの女剣士カメリも同行している。
彼女との付き合いはそこまで長くないが、戦いの中でお互いの実力は認め合っている。


ハーヴェスの港湾地区の生まれ。
酒場の女中として働いていた母が誰ともしれぬ相手の子を孕み、生まれた。年齢が10になるかどうかの頃に母は病死しため、以降は港近くの貧民街に住み着き、船の荷運びなどの仕事で日銭を稼いで生き延びてきた。
20歳になる頃、異国からの船に乗ってやってきた女戦士に出会い、ひょんなことから意気投合する。
人間にしてはかなり大柄で筋肉質であることを訝しんでいたヴァルトに、彼女は自分は他の大陸から流れてきたソレイユという種族だと教え、マヌカ・ドゥ=ヴァーシュと名乗った。
マヌカから、冒険の話や彼女の生まれ故郷の話、そして彼女が探す魔剣の話を幾度も聞かせてもらううち、ヴァルトも冒険者に憧れをいだくようになり、やがて彼女と共に冒険をするようになった。
そうして数年間苦楽を共にしていくうちに惹かれ合った二人は結婚する。
そのまま長く相棒として様々な冒険をこなしていくが、ある魔剣の迷宮にて、探索を失敗してマヌカは命を落としてしまう。
ヴァルトは妻の死を悼みながらも、自分の死に囚われないでほしいという遺言に従い、彼女の遺体を回収して弔ったあとも冒険者稼業は続けることにした。
妻が探していた「願いを叶える魔剣」を手に入れて墓前に供えることを新たな目標として、冒険の旅を続けるのだった。

マヌカ・ドゥ=ヴァーシュ

遊牧民ドゥ=ヴァーシュ一族の末娘。
親よりも年上の男と政略結婚させられそうになり、愛馬のミードを連れて一族を離れた。
"願いを叶える魔剣"を探し、「生涯連れ添う伴侶に出会うこと」を願う。
ヴァルトに一目惚れしていたのは内緒。相棒として、伴侶として、ヴァルトと共に過ごすようになってからは「いつまでもこの時間が続くこと」を願った。
魔剣の迷宮攻略中に事故で命を落とす。

ミード　尾花栗毛　牡馬

亡き妻の愛馬。
最愛の主を亡くし全て投げやりに憔悴していた。
主の伴侶となった気に食わないヴァルトが自身に対して慰めの言葉をかけ続け、甲斐甲斐しく世話を焼く姿を滑稽に思っていた……が、今は良き友人として、ヴァルトの強さを信頼し従う。