拾ってもらったパーティーのリーダーさんのダレットさん。カルミアさんが拾ってくれる前にどうやらスルーされたらしいのです！
ですが文句なんてありません！なんせ、あの、カルミアさんが慕っているお方なのです！！！なぜか、石の下とか草むらとか覗き込みに行こうとすると、首根っこつかまれちゃうのです。...お金が落ちてるかもしれないですのに！いったいなんででしょうか！！！！お！！！次の草むらを見つけたのです！！！いざ！宝石！お金！今度は落ちてるといいですねぇ！！！！

ワタシがお腹を限界まで減らして行き倒れていた時に助けてくれた命の恩人さんです！！！！
本当にあの時は助かりました。しかも、足りない分のお金も貸してくれたのです！なんと！心の広い方でしょう！！このお金は絶対に返して見せるのです！
ご飯の時間になるとやたらエメさんがウッキウキになってると思っていたら何ですか！このご飯は！！！！こんなおいしいもの初めて食べました！！！エメさんがいっぱい食べるのも納得です！
とにかく！命を救われたのです！！絶対カルミアさんの役に立ってみせるのです！

拾ってもらったパーティーに居たパーティーメンバ－さんのカーニバラスメリアのエメさん。ワタシが今まで見てきた人の中で一番の食いしん坊さんです！初めて食事をしているところを見たときは驚きすぎて床に落ちてた宝石に気付かなかったほどなのです！！ほんとに！やらかしたのです！！！！！...ですが、ワタシはその時気づいてしまったのです...！！！そう！エメさんのお耳には非常に美しい宝石が付いていたのです！！とはいえ、パーティーメンバーさんのモノを買うのは道徳的にいけないと思うのです！なので、仕方ありませんが、似たような宝石をいつか手に入れてやろうと思うのです。
....でも...一回くらい触らせてくれないでしょうか...

エリザが普段通り睡眠についていたらとある夢を見た。その夢とは、最も強い冒険者となり、見たこともない財宝や宝石、武器などを世界中からかき集める夢だ。
「今の夢はなんと！なんと！素晴らしい夢なのでしょう！！！！これはそう！きっとワタシが成すべきことでしょう！！さぁ今すぐ冒険に出るのです。そして、最強の冒険者となるのです！」

「さて、冒険に出るにしても何かしらの装備は必要ですね。そこら辺のダッセー装備にはお金を払いたくなんてありませんし、物置にあった斧でもなんとかなるでしょう。...お金を持っていざ！旅立ちの時！！！」

街に向かいつつ道中で出てくる魔物を薙ぎ払いつつ、宝箱があったらそれが罠である可能性など一ミリも考えずに開ける。そのようにしながら街へと向かっていった。

エリザは冒険途中何度も椅子の下や机の下、部屋の隅っこや石の下などを覗き見た。
「あ！今回はお金が少しだけ落ちていたのです！これは発見したワタシのモノにしても問題ないでしょう。」

「ワタシが今までに多くのところでお金を拾い続けた結果、一つの結論に至りました！何かの下にお金が落ちているのは10回に1回...つまり10%の確率でお金を拾うことができるのです！！！」

エリザが街につき散策をしていたらとあるショーケースに釘付けになった。そこには、「紅炎のハルバード」が売られていた。
「ムム、なんですかこの素晴らしい武器は！！！装飾から特殊効果、形状全てが素晴らしいではないですか！...今の手持ちのお金では買うことはできませんね...。だがしかし！これを買わないという選択肢はあるはずありません！絶対にお金をかき集めて買ってやるのです。」
エリザはそれから食事、休憩に回すお金を極力減らしそれ以外の時間は必ず何かしらの依頼を受けるようになった。魔物を狩りつつ、落ちているお金を拾う。これがエリザの日常となっていった。
もともともっていた斧がボロボロになり、そろそろ壊れてしまうというときにエリザは目標金額である22000Gを貯めきることができた。
「ついに22000G貯まりましたね。これでこいつともおさらばです。そしてワタシの手にはあの斧が手に入るのです！今すぐ買いに行くのです！」
エリザは店へと走り込み、全財産である22000Gを使って「紅炎のハルバード」を購入した。...そう、全財産である22000Gを使って。
「あぁ、ようやくこの武器を使って戦うことが出来るのです！いざゆかん！戦いへ...とその前にここ数日何も食べていませんでした。まずは腹ごしらえから...腹が減ってはなんとやら。食堂へ向かいましょう！！！」


「やってしまったのです。ご飯を食べるお金のことをすっかり忘れていたのです...このままでは空腹で死んでしまうのです.....あ、もう意識が.......」

エリザは数日間なのも食べずに狩を続けていたがもうすぐ欲しかった斧が帰るという興奮ですっかり忘れていた。斧を購入し、ご飯を食べようとしてお金がないという事で急に現実に引き戻されたのであろう。空腹に耐えかねて道端で倒れてしまった。

「おなか...すきました...このままこの斧を振ることなく死んでしまうのでしょうか...」と薄れゆく意識の中で誰かが一度こっちを見たが無視されてしまったことに気づきながら意識が沈んで行ってしまった。