一人称「私」・二人称「あなた」
　本名：『マルグリット・オリフラム(Marguerite Oriflamme)』。
伯爵『サフィール・オリフラム(saphir Oriflamme)』の第二子(次女)。
『オリフラム家』は『魔動機』を主に考古学的価値のあるものを蒐集することで有名な一族。

　幼少の頃より時々、家を抜け出しては街の酒場へ趣いて旅人の冒険譚を聴きに行っていた。
そして町に住んでいる子供達と冒険者ゴッコに興じるような令嬢らしからぬ御転婆な娘だった。
父『サフィール』から、そんな行為をしていることがバレてしまい咎められ外出禁止令を受ける。
そんな禁止令を破り続けて酒場で冒険譚を聴き、街の子供達と冒険者ゴッコを興じて行った。
ある日、街の子供達だけで海辺の洞窟へと軽めな探検をした時に本物の財宝を発見する。
その財宝に見とれていたせいで、野生の魔物の接近に気が付かずに襲われてしまった。
結果、一部の子供は死亡、自身含めて生き残った者も重症となる事態になってしまった。

　それから数年の間、父から見張り付きで部屋から出ることすら許されない状態となっていた。
マルグリットは『いつかみんなで冒険をしよう』という約束を未だに忘れきられずにいた。
なんとか家を抜け出した後、数年ぶりに街へ向かい生き残っていた幼馴染達の下へ向かう。
しかし、彼らは『あの悲劇』の影響で、それぞれ自殺・堕落・忘却などで夢を捨てていたことを知る。
『あの悲劇』を通して、未だに幻想(ゆめ)を見ているのは、自分だけなのだと自覚した。
数日後、一部の魔動機を持ちだして家から、故郷から抜け出して冒険者になるための旅に出る。

　旅の道中に出会った元冒険者『ローレンス・モノキュラー(Laurence Monoculaire)』の弟子となる。
『マルグリット』にとって『ローレンス』は実父以上に色んな事を教えてくれる父の様な存在となっていた。
彼から戦闘術や冒険の基礎を学ぶことになるが、病気で余命の短い彼は全て教えきれずに死亡。
『ローレンス』は既に何度も蘇生し、穢れも溜まっていたことから蘇生が叶わぬことを知る。
彼の死後『ローレンス・モノキュラー』の娘を騙る形で『オリフラム家』の名を捨て去る。

　孤独な夢見る真珠(マルグリット)は、欲望に忠実な歪んだ真珠(バロック)へと変じた。