ゆとシートⅡ for SW2.5 - ゆと工公式鯖

“魔動機神”デウス・エクス・マキナ - ゆとシートⅡ for SW2.5 - ゆと工公式鯖

“魔動機神”デウス・エクス・マキナ

(第一の剣/小神:コルガナ地方)

聖印と神像

 デウス・エクス・マキナの聖印は縦に引き伸ばされた六角形の中央を左上から右下へ斜めに分割した形状です。神像は、豪奢な格好で長髪の人間の少女の姿をしており、その右手には身長を超える巨大な剣が握られ、背中に4本のロングソードが翼状に繋げられています。神像の姿は必ずこれで統一されています。

神格と教義

 デウス・エクス・マキナは、魔動機文明時代の末期の人物です。名前の由来であるデウス・エクス・マキナとは、古代の演劇における「絶対者を登場させ、その力によって強引に話を畳む」技法であり、そのための大掛かりな舞台装置(機械仕掛けの神)のことです。彼女の来歴の殆どは抹消されており、どこで生まれ育ったのかは勿論、名前すらもわかっておらず、神としての名前も、神格を得てからつけられたものです。但し、顔がよく似た人物とその家系が見つかっていることから、彼女達との関係性が推測されています。

ネタバレ注意反転箇所
 記録を辿れるのは今から400年前、"管理者"と呼ばれる組織に所属した所からです。その時点で本来の名前と来歴の抹消が行われ、また機械仕掛けの身体へと変わったようです。
 その後、文明の滅びをどうやってか察知した彼ら"管理者"は、方々に散って、文明と人類の保護を掲げ、様々な切り口でその手段を模索しました。彼女の場合は、コルガナ地方南の空白地帯に巨大な埋設型複合都市を建造、大破局の際に身分を問わず、出来うる限りの避難民を収容し、地上が安全になるまで、と、そこの王として統治を行いました。
 その統治は完璧と称され、リソースの限られた地下都市であるにも関わらず、楽園を築き上げたと言われています。魔動機文明時代という、神から信仰が離れつつあった時代だったことも手伝って、神になる前から、地下都市の人々の信仰を一身に集めていました。文字通りの"機械仕掛けの神"として振る舞っていたのです。
 200年に渡って善政を敷き、地上のどの都市よりも巨大な地下都市に平和と繁栄をもたらし、民のために心身を砕き続ける彼女に、報いあれ、とライフォス神によって神格を与えられたとされています。

 教義は、一芸を磨く事を尊び、困難に対して安易に神に祈るのではなく、己の力で立ち向かう事を是としたものです。一芸、というのは戦いの術から物を作る技術、更には芸術や装飾までも含む広範なものです。「磨き抜かれた芸にこそ美が宿る」とも説き、物作りと創作活動の神ともされます。芸を磨くことを是とする一方で、その秘匿は停滞を招くとして戒めています。そして、困難に立ち向かうための、遍く誰もが扱えるものとして魔動機と魔動機術を選び、また奨励していました。魔動機神の由来でもあります。
 彼女のエピソードの中で最も特徴的なのは、神格を得た際に「神が今更何の用だ」と罵ったとされるものでしょう。大破局というこの世の地獄に対して神が(少なくとも目に見える形では)何もせず見ているばかりだった、というのが彼女の言い分であり、それが200年も後になってから干渉し、神格を与えてきたことに激昂した、というのが事の真相のようです。

ネタバレ注意反転箇所
 しかも、神格を与えられたことで、元から根深かった地下世界の民の彼女への依存は決定的なまでに深まってしまいました。――彼女を殺さなければ自分達が滅びる、と突き付けられて尚、彼女を生かそうとするに留まらず滅びを受け入れようとしてしまう程に、地下世界の民は彼女に心身共に依存してしまったのです。国民総マザコン
 現在では地下世界は崩壊してしまいましたが、地下世界の民の生き残りの信仰によって、神格の消滅は免れています。これからどのように変わっていくのかは、始まりの剣のみぞ知る、という所でしょう。

格言

「芸を磨け。磨き抜かれた芸は身を助ける」

「停滞は破滅を招く。武器を取り、未来を切り開け」

「困難には手を取り合って立ち向かえ。安易な祈りは救いを生まない」

備考

 自らに(勝手に)神格を与えた始祖神ライフォスとは、前述のエピソードからわかる通り決して良好な関係とは言い難い状態です。その後の地下世界の崩壊とその被害が増えた遠因でもあることから、敵対とまでは言わずとも、口も利きたくない、という感情を抱いています。一方でライフォス神の側からすれば、良かれと思って与えた神格が、巡り巡って悪い結果に繋がった事を悔いており、彼女に一回謝りたいと思っています。ですが、彼女の側が取り合わないため、謝ることはできていないようです。

ネタバレ注意反転箇所
 文明と人類の保護を掲げた組織に属していたことから、知識の番人であるキルヒア神には親近感を感じています。
 武闘派の神であり、グレンダールとも並べられますが、「下手に話し合いを求めては先制攻撃を許す」とするデウス・エクス・マキナに対して、グレンダール側は苦々しく思っているようです。
 一方イーヴ神とは教義に被る所があることから、そちらには親近感を抱いています。但し、デウス・エクス・マキナ側はイーヴ神に対して「禁欲的過ぎるのでは」と言い、イーヴ側からは鬱陶しく思われているようです。

ネタバレ注意反転箇所
 ミリッツァ神との関係は、一言では言い表せない程に複雑です。民を虐げ、また殺戮した王でありながら、その実、自らの心身を砕いて人々を守り続けた二面性を持つデウス・エクス・マキナは、ミリッツァ神にとっては判断に苦しむ存在でしょう。同時に、デウス・エクス・マキナ側から見たミリッツァ神も歓迎し難い存在です。自身が復讐される側であり、復讐が時として社会を乱す行為であるためだといいます。
 鉄道の神であるストラスフォードとは、気が合う友人という関係です。但し、その教義はあまり近いとは言えません。
 機甲神アールマータとの関係性もまた、複雑なものです。「機甲」を開発した手腕と功績は認めつつも、量産性がなおざりになったそれを、工業製品として、また"民を守る術"としては、評価に値しないものだったとしています。個人の武勇には限りがある――それが、魔動機神たる彼女の主張でもあるのです。規格化とモジュール化の申し子である「アーマード・コア」を開発していることからも、対極にあることが窺えます。しかしそれを除けば、機甲神に対して、深い尊敬と親近感を持ち、また交友を持っているようです。
マキナ→ライフォス:ふざけるな
マキナ←ライフォス:すまなかった
マキナ→キルヒア:親近感
マキナ←グレンダール:安易な暴力はいかん
マキナ→イーヴ:禁欲的過ぎるのでは
マキナ←イーヴ:同志だが口煩い
マキナ ↔ ミリッツァ:複雑
マキナ ↔ ストラスフォード:友人
マキナ→アールマータ:尊敬してますが、機甲は……

Q&A
Q1.カルメン・ビジャールと姿が一緒だけど?
A.カルメン・ビジャールが彼女に似ているのです。詳しいことは、カルメン・ビジャールのキャラシートを参照のこと。
Q2.デウス・エクス・マキナって名前が大仰過ぎない?
A.元ネタの一つがSCP-2000「機械仕掛けの神」であると共に、ダブルミーニングも入っています。

特殊神聖魔法

2
【プロフィシエント】
消費
MP4
対象
術者
射程/
形状
術者/
時間
1日
抵抗
任意
概要
任意の行動判定+1
効果

 神の力を僅かに添え、自らの一芸を更に鋭く磨き上げます。
 行使の際に、行動判定の中から1つだけ指定します。効果時間中、その判定の達成値に+1のボーナス修正を得ます。このとき、いずれかの冒険者技能によって可能になる行為判定に限られます。
 この魔法は1日に1回しか行使できません。

解説

一芸を磨く事を尊ぶ彼女を象徴する魔法。汎用性が高い分消費を重く、係数は低く。冒険者判定や生死、抵抗などはこの魔法の対象外。比較対象はペネトレイト(キルヒアLv2)、リトライ(ミルタバルLv2)、カウンター・デーモン(イーヴLv2)
由来は熟達(proficient)から。

4
【アーマー・ピアス】
消費
MP4
対象
1体
射程/
形状
1(10m)/
起点指定
時間
3分(18ラウンド)
抵抗
消滅
概要
クリティカルを受けない効果を失わせる
効果

 構造の一部に急所を作り出し、切り裂きやすくします。
 対象が「クリティカルを受けない」特殊能力や、それを内包する特殊能力を持っていたなら、それを失わせます。

解説

蛇の道は蛇、魔動機の神は魔動機殺しである。皆大嫌い機械の身体やその他のクリティカルを受けない効果を無効にする魔法。1つの特殊能力で刃クリ無効&打撃に対して防護+5みたいなことしていると、(抵抗を突破すれば)諸共無効化する。但しクリティカル無効貫通を無効化するタイプには意味がない。
名前の由来は徹甲弾(Armor-piercing shot and shell)から。

7
【コントローラー】
消費
MP9
対象
術者
射程/
形状
術者/
時間
3分(18ラウンド)
抵抗
任意
概要
神聖魔法の一部が魔動機にも効果を及ぼす
効果

 魔動機神の力で神聖魔法を変質させます。
 術者が効果時間中に行使した【キュア・ウーンズ】【セイクリッド・ウェポン】【セイクリッド・シールド】【キュア・ハート】【キュア・インジャリー】【サレンダー】【キュア・モータリー】【レストレーション】の魔法は、その効果が発生するキャラクターに「分類:魔動機」も加えられます。【サレンダー】の場合は、「分類:魔動機」を対象とする時、「属性:」に変更します。

解説

管理者の名前を関する、象徴魔法その2。魔動機相手に特効入れたり、制圧したり、回復が入るようになる。蛇の道は蛇、魔動機の神は魔動機殺しである。消費MPを重くする代わりに、比較対象のセイクリッド・オーラ(イーヴLv4)より範囲と使い勝手をよく。不遇極まる魔動機騎獣の救済も兼ねて。敵に回すと勿論魔動機騎獣が酷い目に遭う

由来は管理者、管理装置(controller)から。

10
【ユグドラシルレコード】
消費
MP3
対象
術者
射程/
形状
術者/
時間
10秒(1ラウンド)
抵抗
任意
概要
魔動機術を一時的に習得する
効果

 魔動機神の大いなる叡智の一部を借り受けます。
 一時的に、10レベルまでの魔動機術のうち、いずれか1つが行使できるようになります。行使したときの魔力は、術者の「プリースト技能レベル+知力ボーナス」となります。MPは選んだ魔法に応じて別個に消費します。
 このとき、行使できるようになる魔動機術には強化や変更が入ります。詳しくは下記の一覧を参照して下さい。
 一時的に習得した魔法を行使するさいには、発声、〈マギスフィア〉を必要とせず、マギスフィアのサイズによって効力が変わる魔法は、任意のサイズであるものとして行使できます。術者が習得している戦闘特技は、すべて有効です。《MP軽減/マギテック》は適用されますが、《MP軽減/プリースト》は適用されません。
 行使に必要な時間が10秒を超える魔法は指定できず、選んだ魔法を1回行使したら、この魔法の効果は消滅します。

魔動機術強化一覧

【シグナル・バレット】:明かりの照らす範囲が全エリア(半径20m)に強化
【ソリッド・バレット】:ダメージ+1
【ターゲットサイト】:MP-1
【サウンド・ボム】:発する音の長さが「2語」分に強化
【フラッシュライト】:時間×2
【マナサーチ】:MP-1
【ハートレスチェッカー】:過去10回分の記録を保持、閲覧できる
【エクスプローラーエイド】:MP-1
【クリティカル・バレット】:ダメージ+1
【ヒーリング・バレット】:HP回復量+1
【サウンドレコーダー】:記録時間が2倍に強化
【シャドウボディ】:MP-1
【ノッカー・ボム】:達成値+1
【ジオラマディスプレイ】:MP-2
【エフェクト・バレット】:ダメージ+1
【ティアガス・バレット】:「属性:」に変更され、毒無効にも効果を発揮するように
【エフェクト・ウェポン】:物理ダメージ+1を+2に強化
【グルー・ボム】:達成値+1
【ジャンプブーツ】:MP-1
【ショック・ボム】:達成値+1
【アナライズ】:主動作で行使し、達成値が対象の弱点値以上になれば、「分類:魔動機」の弱点を適用する
【オートガード】:MP-1
【クイックローダー】:MP-1
【オートモビル】:時間×2
【スモーク・ボム】:達成値+1
【ショットガン・バレット】:ダメージ+1
【アンチエイミング・ボム】:達成値+1
【グレネード】:達成値+1
【ライフシグナル】:対象が毒、病気属性の効果を受けたら感知する
【ワイヤーアンカー】:達成値+1
【バースト・ショット】:ダメージ+1
【ウィークネス】:「弱点表」使用の際、1d6を2回振り、好きなほうの出目を採用する
【クリエイトウェポン】:作製された武器が魔法ダメージを与えるようになる
【ディスガイズセット】:達成値+1
【レジスト・ボム】:ダメージ減少を「-4」から「-6」に強化
【スタン・バレット】:ダメージ+1
【タイマー・クロック】時間×24(つまり1日になる)、警告タイミングを任意に設定可能となる
【オートモビルⅡ】:時間×2
【テレスコープ】:視認距離2倍
【ライフセンサー】:MP-1
【グライダーマント】:MP-1、地上からの飛び上がりに必要なMPも1点軽減
【パイルシューター】:〈パイルシューター〉を1Hと定義し、C⑨、魔法の武器に強化される(魔法ダメージになるわけではない)
【エアタイトアーマー】:MP-2
【フラッシュ・ボム】:達成値+1
【マナカメラ】:記録枚数を2倍
【ハイブリッド】:MP-2
【レーザー・バレット】:ダメージ+1
【テレグラフ】:1つのマギスフィアから「子機」を2つ作れる
【マナディクショナリー】:MP-1
【トリート・バレット】:HP回復量+1
【ホーミングレーザー】:MP-1
【ホログラフィ】:記録時間×2
【マインド・ボム】:達成値+1
【マナポリー】:出目「2~3」を出した際、1回だけ破壊されずに継続される

解説

キルヒアLv13特殊神聖魔法【コンプレーション】を魔動機術特化にしたもの。2.0のオプションによる強化も付属。プリーストが突然マギテックも兼ねるようになり、グレネードが無限に飛ぶようになる。Lv13魔法があるのであんまり意味はないが……。プリースト先行の二刀流シューターでホーミングレーザーバレットや、マルチアクションを持った神官戦士などが強いだろうか。
一覧が見づらいのは無賃乗車を防止するための仕様です。ルルブを買おう。
元ネタはアカシックレコード(akashic records)。

ネタバレ箇所

デウス・エクス・マキナは自身の知識と記憶を集積する巨大データバンク"ユグドラシル"を建設、それを地下世界の運営に役立てていた。

13
【コロッサル・カレント】
消費
MP15
対象
1エリア(半径6m)/
20
射程/
形状
2(30m)/
起点指定
時間
一瞬
抵抗
半減
概要
威力40ダメージ、魔動機に特効
効果

 天空より幾本もの雷を降らせます。落雷は強力かつ不規則な電磁波を放射し、魔動機の誤作動を招きます。
 対象に「威力40+魔力」点の魔法ダメージを与えます。対象が「分類:魔動機」のキャラクターであるなら、ダメージが+5点され、対象の次の手番で、「誤作動表」にある行動を、本来の行動の代わりに行います(主動作、補助動作共に実行できなくなります)。この追加ダメージは対象が抵抗に成功しても発生します。
 複数の部位を持つキャラクターの場合、対象となった部位だけに影響が現れます。
 この魔法の行使においては、術者が戦闘特技《魔法制御》を習得していても、金属鎧を装備している、または金属製のキャラクター、及び「分類:魔動機」のキャラクターを対象から除外することはできません。
 固定値のキャラクターの場合、「*の身体」を持っており、*の部分に金属の名前が入る場合を金属製のキャラクターと定義し、「分類:蛮族」「分類:アンデッド」「分類:人族」であり、対象の防護点が対象自身のレベルより高い場合を金属鎧を装備していると定義します。

誤作動表
1d影響
1特に悪影響は現れない。通常通りに行動する。
2棒立ちとなり、何も行動しない。
3異常な加速で行動を行う。主動作の回数を+1して行動する。行動の内容は任意だが、能動的な行動判定に-4のペナルティ修正を受ける。
4最も近い敵に攻撃(特殊能力含まず)を行う。命中力判定に+2のボーナス修正を得、回避力判定に-2のペナルティ修正を受ける。攻撃方法を持たない、または実行できない場合は何も行わないが、回避力判定へのペナルティ修正は適用される。
5周囲に電撃を発生させる。「射程/形状:自身/」で「対象:1エリア(半径3m)/5」に「抵抗:必中」で「魔物レベル」点の雷属性の魔法ダメージを与える。自身を対象から除外できず、対象とは別に、自身にも同様のダメージが与えられる。
6自らを攻撃する。複数の部位を持つキャラクターの場合、どの部位を攻撃するかを無作為に決定する。
解説

SW2.0の慈雨神フェトルLv10特殊神聖魔法【コール・ライトニング】のパワーアップ条件を魔動機相手の場合に置き換え、SW2.0にあった魔動機術【ブレイクダウン・バレット】の誤作動表を内包させたもの。誤作動表はこっそり強化されている。
由来は途轍もなく巨大な(colossal)+流れ、この場合は電流(current)、つまるところ、電子機器が誤作動、破壊される現象であるサージ電流のこと。皆も延長ケーブルは雷サージ保護機能付きを買おうね。

製作者:M140A3