容姿・経歴・その他メモ

　
容姿など：
根無し草、流離の放浪者。

身長235cm、体重128kg。
天道の如き山吹の鱗、特に硬度の高めな箇所は青碧色。体表を覆う体毛には白髪が半ば混じっているが、毛並みは意外と整っている。
瞳は緋色、高ぶると光彩が黄金に変わる。
竜の尾は、過去に断ち切られており半分ほど先が無い。

洒落者で、身なりもそれなりに質の良いものを着用している。いくつになろうが、男ってなァ見栄と意地ぃ張ってこそよなァ！


性格は豪気にして奔放、時に軽薄さも覗きつつ、物事に真剣な者には敬意を払える漢(オトコ)。
しばしば若い女性をからかったり口説いたりタッチしたりと軟派な風だが、本人は挨拶みたいなものと考えている。


経歴：
ゴーント地方はクラスダナール島の北方、連なる山麓の合間にひっそりと作られた集落の出。
良質なマナが多く集まる霊脈地相だったそこには『大破局』以前から術師や学者が訪れ、居を構えることが多く、年若い時分はそんな大人たちの使い走りに甘んじていた。

物足りぬ、といえばそうだが、「外」を知らぬ辺境者のこと。
『義兄』と慕った文武に秀でた竜人の一挙一動に目を輝かせる一日。
その妹の、虚弱ながらも影に日向に兄を支える姿に気もそぞろな一日。
朝日を拝んで働き、夕日を見送って飯を食らって眠る毎日。そこに何の疑問のあろうはずもなく。

だのに。


びしゃり、と背後に水っぽい音を聞く。
それが、自身の尾の半分が泣き別れたモノだと見ずとも分かる。
眼前には、それを為した者。血に濡れた刃を携え、こちらを見ようともせず何事かを呟き続ける『義兄』。
腕の中には、死出の息吹。胸を貫かれ、じくじくと零れる命を最早止めることの叶わぬ、焦がれた女。

何が。何故。何の為に。誰が。どうして。

混濁する思考は言葉に出来ず、ただただくぐもった唸り声になって。
ようやくに絞り出した、「兄者」という一言を吐き終える前に、腹にぞふ…と衝撃がはしり、それきり意識は途切れた。

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数日ののち、一命を取り止め目覚めた男は、自身の「世界」だったものの殆どを亡くしていた。
夢であったならと縋り、しかし失われた尾と冷たくなった女とが、現実をまざまざと突きつけてくる。

怒り。胸の奥、脳の芯から湧き上がるその業火は容易く決壊し、仇を求めて荒れ狂った。
集落を飛び出し、出会う者へ片端から問い詰め、しばしば「体に聞く」真似も厭わず、いつしか野盗紛いの無頼者として手配書の出回る始末。
時に冒険者たち、時に賞金稼ぎ、時には縄張り争いの同業(？)共を、来るもの拒まず返り討ちにすること幾年月か。
まさか、ふらりとやってきた、枯れ木のような爺に指一本触れられずに伸されるとは。

「復讐ゥ？ 結構結構。だがなァ、そんなザマじゃあ次は尾の代わりに首が飛ばァな。『技』ってな、体が恵まれただけの阿呆が暴れたくれぇじゃどうにもならんのよ。ほぅれ、この通り」

腕を極めたままからりからりと笑うその達人は、捕らえたこちらを役人には突き出さなかった。
付いてくるよう言い放ち、振り返りもせず歩き去っていくその背中はしかし、やっぱり隙が無い。
流されるまま後に付いてゆけば、雑用に次ぐ雑用の奴隷生活の始まりだった。
逃げ出そうとすればすぐさま捕まり、こてんぱんにされて、また雑用。

そうして気づけば、まさかの50年。
ついに一発、まぐれのような拳を掠らせることが出来た時には、すっかり粗暴さも落ち着いていた。
と、師匠を平気で殴るような馬鹿弟子は破門だ、などと無茶苦茶な理由であっさり居より追い出されることになり、風来坊生活に逆戻りした。

但し。かつての狂犬……狂竜はもう居ない。
諦めても忘れてもいないが、それだけが人生ではないと思える分別がついた。

―――では、今日はどうする？

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