ーー神はいない。それが僕の持論。
そう思う理由は二つ。一つ目は、僕…ルーンフォークには、世間一般的に神と呼ばれる存在の声が聞こえないから。認識できない存在を“いる“とするのは難しい。
二つ目は、僕の過去に由来する。その事について少し詳しく話そうか。

僕は、偉大な魔法使いの助手として生み出された。機能もそれ用に設定されていたから、手助けはそれなりに出来ていたと思う。
一般的な魔法使いと比べても、師匠は桁違いに素晴らしい魔法を使えた。歳を取り、衰えたとは思えないほど洗練されていて、僕もそのような魔法使いなりたいと思っていた。

しかし、その想いはすぐに打ち壊されることとなる。

師匠と外で魔法の研究をしていた際に、背後から突然蛮族が襲いかかってきた。当然師匠と僕も応戦しようとしたが、近接戦に持ち込まれるとどうしても後手に回ってしまい、このままでは共倒れになることは簡単に想像できた。そして、師匠を逃がそうとした時…僕の身体は、師匠の使い魔に運ばれていた。憎たらしいくらい完成度の高いそれの上で、みるみる遠ざかっていく背中に手を伸ばしている時、僕は初めて、ルーンフォークでも涙が流れることを知った。本当にこの世に神がいるというのなら、何故師匠が死に、僕がのうのうと生きているのだろうか？

しかし、捨てる神あれば拾う神ありとも言う。ある日、生きる意味を見失った僕の前に救世主が現れたのだ。その救世主は僕に一冊の本の中から、僕に囁いた。
「蛮族どもに復讐する力が欲しいか？」と。

ーー神はいない。それが僕の持論。信じられるのは、ただこの力のみ。
【生まれた環境】魔法使いの弟子
【幼少期の経験】生まれながらの機能
【1回目のハプニング】大切な人に目の前で死なれた
【少年期の経験】学ぶ機会を得た
【2回目のハプニング】魔神と契約を結んでいる
【青年期の経験】執念と繰り返し
【冒険者になった理由】蛮族を倒すため
【信条】神/否定、復讐/肯定
【矜持/執着】悪党は必ず裁く