生まれた環境:スラム(都市)

幼少期の経験:遊び場は森や川

1回目のハプニング(4歳):事故や悲劇表
故郷が戦争や襲撃で破壊された

少年期の経験:冒険者の基本を知る

2回目のハプニング(10歳)幸運/幸福表
あちこち旅をし、知見を広げた

青年期の経験:隙は見逃さない

3回目のハプニング(12歳)幸運/幸福表
偉人や有名人に出会い、「君は成功する」と言われた

4回目のハプニング(18歳)特になし

5回目のハプニング(27歳)幸運/幸福表
ヴァグランツに救われた

6回目のハプニング(34歳)事故や悲劇表
災害に巻き込まれた

7回目のハプニング(42歳)幸運/幸福表
あちこち旅をし、知見を広げた

8回目のハプニング(49歳)少年期の経験表
自然の中で学ぶ

9回目のハプニング(55歳)幸運/幸福表
体質が改善され、以前よりも健康になった

10回目のハプニング(61歳)幸運/幸福表
生きていくのに苦労はなかった

11回目のハプニング(70歳)秘密の背景表
第四の剣フォルトナの声を聞いた

12回目のハプニング(77歳)事故や悲劇表
餓死しかけた

13回目のハプニング(83歳)幸運/幸福表
友や仲間に恵まれ、日々充実していた

14回目のハプニング(87歳)秘密の背景表
第四の剣フォルトナの声を聞いた

冒険に出た理由
探しているものがある

ヴァグランツになった理由
最強の意味を知るため

信条Ⅰ:欲望(所有、奪取)　欲望:肯定
信条Ⅱ:栄光(家名、名誉)　栄光:肯定

矜持/執着:約束は必ず守る

　ギュンターは生まれたと同時にスラムに捨てられた赤ん坊だった。スラムで暮らす子供たちが彼の面倒を見ることで、ギュンターは成長していった。
　幼少の頃から食べ物を集めるために働いた。街の中は既に縄張りが決められており危険だったため、彼は近くの森で果実などの森の恵みを探していた。彼にとって食料調達は、宝探しの様なものだった。
　しかしそんな生活の中で、生活していた街は魔神たちに襲撃を受けた。その街は、旧王都ルセアとスフバール聖鉄鎖公国の間にあったのだ。その襲撃に対抗して、聖鉄鎖公国から騎士団や冒険者達が駆り出された。幸運にも、ギュンターは冒険者達に助けられ、彼らの下で技術を磨いていった。ギュンターという名は、彼らに名付けられた。
　幼いながらも、実力を身に着けていったギュンターは、冒険者達に同行して各地方を回った。その中で、隙を逃さぬ心構えを教えられた。
　12歳になる頃には、共に居た冒険者達の足手まといにならないほどに成長していた。まだ成人でないにもかかわらず、高名な冒険者達についていける実力には誰もが驚愕した。「間違いなく君は大きなことをなせる」と、冒険者達のリーダーはそういった。その言葉はすぐに実現し、ギュンターは聖鉄鎖公国のグランウォール公に見初められることになる。冒険者達と別れるのは心苦しかったが、彼らに成したいことを成せと後押しされ、未成年ながらも正式に公国の騎士団に入る事となる。
　騎士団に入団して15年。その間に、彼は騎士団で最高の栄誉である“漆黒の騎士”の称号を与えられる。“漆黒の騎士”とは、聖鉄鎖公国に伝わる特別なアビス強化を施された武具を全身に身にまとった無敵の騎士であり、公国最強の存在として称えられる。そんなある時、彼は仲間の騎士団を逃がすために殿となって強力な魔神を食い止めていた。もうこれまでと思ったその時、ヴァグランツが彼を救った。それまでヴァグランツを毛嫌いしていた彼は、この時から彼らとも協力を惜しむことはなくなった。彼らを交えた様々な戦術を構築し、公国に襲い来る魔神を蹴散らしていった。
　それから7年。彼にとっての全盛期に、魔神たちによる戦略級の災害に巻き込まれることになる。幸いにも命はとりとめたが、右目を失うことになった。
　その後8年の間は“漆黒の騎士”として活躍していたが、片目の失明と老いてきた肉体に限界を感じ、後任にその称号を譲る。それと同時に、彼は公国にとっての“勇者”の資質を持つ者を探すため、各地を再び放浪する事となった。
　各地を放浪して13年。探し求めていた“勇者"は見つけられなかったが、多くの気づきを得ることができた。中でも、自然の中で暮らす民との交流では、大きな衝撃を受けた。長年戦場に立っていた分、その気付きは大きなものだったが、幼少の頃を思い出すと納得できる点もあり、知見を深めることができた。その旅の途中、50代であるにもかかわらず、その肉体の衰えを感じない程のポテンシャルを取り戻していた事に気付き、再び戦場に立つことになる。ただし、“漆黒の騎士”としてではなく、若き騎士達の教官として、司令官としてである。
　それからの日々は充実していた。数多くの騎士を送り出し、その中で新たな世代の“漆黒の騎士”も生まれた。国に多大な貢献をし、国内では知らぬ人はいない程に有名になっていった。そして70歳になったある日、彼は何者かの声を聴いた。その声によると、現在の“漆黒の騎士”は7年後には亡くなってしまうという。原因はわからないが、彼も現在の“漆黒の騎士”は実力がありながらも精神的には未熟であると感じていた。この日から彼は、“漆黒の騎士”に専属して指導をするようになる。
　7年後、魔神の奇策によって調査に向かった騎士団は兵糧難に陥った。中には件の“漆黒の騎士”もいたが、ギュンターの指導により精神面でも強固に成長していたため、真に公国最強となっていた。ギュンターは自身の分の食料を譲るほか、最悪の場合は彼自身を食えとまで言い、若き騎士と最強の騎士を生かそうとした。しかし、餓死寸前で魔神の奇策を突破。なんとか生き残る事となる。
　そして時は流れて10年。いよいよ肉体に限界が来て、いつ亡くなってもおかしくない程にまでなっていた。もはや新人の騎士にも歯が立たず、ついに引退となった。彼が守った騎士団や“漆黒の騎士”は歴代でも最強とまで謳われるほどの実力を身に着け、その朗報に日々心を躍らせていた。
　87歳、床から起き上がることもできず、ついにその命も終わりを迎えていた。家族やこれまでの教え子達、国家の重鎮までもがその死に目に立ち会おうとし、多くの人に見送られて逝く事になる。...はずだった。死の直前、彼は再び声を聴いた。17年前に聴いた時と同じその声とともに、その姿も見ることになった。その時初めて、声の主がフォルトナであると確信した。剣は言った。“勇者”が現れると。ただそれだけだったが、勇者が現れる地をビジョンとして彼は受け取った。そして、奇跡が起きた。死に体だったはずの肉体に活力がみなぎり、全盛期とまではいかないまでも、戦う力を揮えるほどにまで回復していたのだ。死に目に会おうとしていた者達は驚愕し、涙した。奇跡が起きたと声をあげた。
　そして彼は三度、旅に出ることとなる。親しき者達はみな心配していたが、どこか大丈夫だという確信もあったのだろう。彼は旅に出て、“勇者”を探し、ビジョンとして見えた地を探す。そうしてたどり着いたのが『夢の語り部亭』。公国を救う“真の勇者”の資質を持つ者が現れるというこのギルドで、彼は今日も、ギルドに足を運ぶ冒険者・放浪者達を見定める。