大好きな食べ物がある
伴侶がいた
飛空船に乗ったことがある

予言によって

貴方たちは眠りにつくのです。来るその日がくるまで…
奈落の壁に誰かの声が響いた、なんだかよくわからないけど僕たちはその人の言うとおりに眠りについた。

突如として飛空船の貨物室から一筋の光が立ち上る。
「ふぁ～～っと、よく寝たなぁ。」紫色の瞳をした青年が大あくびをして立ち上がり、辺りを見回す。
「ここはどこなんだろう、なんかやけに騒がしいな真っ暗だし。そーいえばエリアーデはどこにいったんだ？一緒に眠りについたはずなのに。」
ｺﾞｺﾞﾝ、ｷｭｷｭー、どうやら飛空船が着陸したようだ。
しばらくして貨物室の扉が開いた。
「うわっとと、めっちゃ揺れたな。うっまっぶしぃ～」
「おっ！なんだ坊主こんなとこでなにしてやがんだ！！！もしかして密入国者か」
「まっまってくれよ！ぼくは起きたらこんなとこにいたんだよぉ、なぁ頼むから見逃してくれ！」
「んん？仕方ねぇ事情はあとで聞いてやるからとりあえずここから出な！」
そういうと青年の手を引っ張り、詰所に向かった。
「するってぇ～とあれか？あんたここになんでいるのかほんっとーにわかんねぇのか？」青年はザクロパイを食べながら首を縦に思いっきり振る。「そうそう！昔は奈落の壁ってとこでエリアーデと暮らしてたんだけど、起きたらこんなとこにいたんだよ！エリアーデもいなくってさぁ、なぁだから見逃してくれよぉエリアーデがどこにいったか探さなきゃならないしさ、それにぼくが起きたってことはなんかよくないことが起こるかも知れないんだ」
「仕方がねぇな、まぁ人が集まるとこを紹介してやるよ。とりあえずはここに向かってみるといい、あとなんも持ってねぇみてぇだから徴収品もくれてやる。遠慮せずもっていきな！」
「まじか！おっさん見かけによらずいい人だな！この恩はいつか返しに来るよ、ありがとう」
そういって身支度を整えた青年は整備士から教えられた街へと向かう

ジャイアントリザード