ゆとシートⅡ for SW2.0 - ゆと工公式鯖

〈グルーミィ・サンデー〉 - ゆとシートⅡ for SW2.0 - ゆと工公式鯖

〈グルーミィ・サンデー〉

基本取引価格:
知名度
形状
歌い手が握ると中に造花が現れるブーケ
カテゴリ
冒険者技能用アイテム
製作時期
魔動機文明
概要
〈エターナル・バケーション〉から作られた魔剣の一つ。暗い呪歌を強化し、特殊な終律を使用できるようになる
効果
生命(いのち)よりも愛していた

 死に臨む奏者の悲愴な歌声に、魔剣が共鳴します。
 呪歌の演奏を始める直前に1度だけ使用できます。直後に使用する呪歌の演奏中、回避力判定、生命抵抗力判定、精神抵抗力判定、生死判定のうち1種類ごとに、-4のペナルティ修正を受けることを選択できます。ペナルティ修正を受ける判定の数と、呪歌の曲調(最下部参照)に応じて、演奏の達成値が修正されます。

修正を受ける判定の数明るい曲調・情熱的な曲調暗い曲調・落ち着いた曲調
1種類-1のペナルティ修正+1のボーナス修正
2種類-2のペナルティ修正+2のボーナス修正
3種類-3のペナルティ修正+3のボーナス修正
4種類-4のペナルティ修正+4のボーナス修正
死んでも開(あ)いてる私の目をみて

 視線を合わせることで、その呪歌が誰がために歌われたものかを知らしめます。
 「暗い曲調・落ち着いた曲調」の呪歌の演奏を始める直前に、1度だけ使用できます。また、40秒(4ラウンド)に一度しか使用できません。対象にできるのは、「直前の40秒(4ラウンド)、使用者の[形状:接触]の範囲内にいた」「使用者が個体名を認識しているか、魔物知識判定で知名度を4以上上回っている」の2つの条件を満たした1体のキャラクター(複数部位のキャラクターであれば、全ての部位)です。
 直後に演奏する[抵抗:消滅]の呪歌は、この効果の対象に対しては[抵抗:短縮]となります。前奏が必要な場合、効果を発揮し始めたラウンドを基準とします。加えて、呪い属性を追加で付与することができ、本来の属性と比較して不利なほうが適用されます。ただし、元の属性が精神効果属性(弱)である場合、精神効果属性(弱)を破る手段は有効なままです。
 代償として、奏者は演奏中、いかなる手段でもHPを回復できなくなります。また、使用者はこの効果を使用してから対象が[形状:接触]の範囲内にい続ける間、対象をこの上なく愛おしく感じます。行動が制限されることはありませんが、自分の対象に対する行動は、すべて愛の名の下に行われると感じます。この副作用は解除できません。

特殊呪歌【グルーミィ・サンデー】/前奏:なし/歌唱効果:必要/抵抗:消滅

 魔動機文明時代のカルト的名曲「ソンブル・ディマンシュ」に、呪歌としての効果を付与したものです。歌詞は魔動機文明語ですが、魔動機文明語を理解しない者を対象にすることは可能です。
 この呪歌は例外的に、奏者の[形状:接触]の範囲内のキャラクターにしか効果がありません。対象は自発的ないかなる方法でも、奏者の[形状:接触]の範囲内から離れることができなくなります。奏者が移動したか、対象が強制的に移動させられた場合、奏者の本来の呪歌の効果範囲内であれば、奏者の[形状:接触]の範囲内へ向かって可能な限り移動することを強いられます。また、対象はこの呪歌の効果範囲内に10秒(1ラウンド)いるごとに、精神抵抗力判定に-1のペナルティ修正を受け、-4になるまで累積します。
 「楽曲『ソンブル・ディマンシュ』を歌って演奏することができる」、「魔剣〈グルーミィ・サンデー〉の迷宮を訪れたことがある」、「バード技能を1レベル以上習得している」という3つの条件を満たすキャラクターは、この魔剣の使用中でなくても、特殊呪歌【グルーミィ・サンデー】を使用することが可能です。
 この呪歌は、呪いかつ精神効果属性(※)です。

特殊終律【暗い日曜日】/「バード技能+精神力ボーナス+呪歌使用の達成値への修正」の達成値/精神抵抗力判定/半減

 遥かに海を隔てたアルフレイム大陸において、「終律」と呼ばれている呪歌技術です。呪歌を演奏すると生成される「楽素」をリソースとして使用します(が、ソード・ワールド2.0のルールに準じて簡略化されています)。
 この効果は、この魔剣の使用者が「暗い曲調・落ち着いた曲調の呪歌」を使用したラウンドの、直後のラウンドか、間に呪歌を使用しなかったラウンドがないラウンドに使用可能です。使用には、呪歌の使用で用いられるのと同じ条件で楽器を用いて、「ソンブル・ディマンシュ」のアウトロを演奏する必要があります。また、この効果の達成値には「生命よりも愛していた」の「暗い曲調・落ち着いた曲調の呪歌」へのボーナス修正と同じ修正が得られます。
 「対象:1体」「形状:起点指定」(ただし使用者が《鷹の目》を習得しているものとして扱います)「時間:一瞬」で、「射程」は使用者の呪歌の効果範囲と同一です。対象に「威力40+バード技能+精神力ボーナス」点の魔法ダメージを与えます。この効果は風かつ呪い属性です。
 使用者以外が呪歌を使用している時にこの効果を使用する場合、達成値がその呪歌の達成値を超えていなければ効果は発揮されません。また、呪歌に対する精神抵抗力判定へのボーナス修正はこの効果へも有効です。ただし、完全に聴覚を失っている場合、無効ではなく、精神抵抗力判定に+4のボーナス修正を得ます。
 その他、細かい裁定に関しては、ソード・ワールド2.5の終律の処理に準じ、適宜判断します。
 「楽曲『ソンブル・ディマンシュ』を演奏することができる」、「魔剣〈グルーミィ・サンデー〉の迷宮を訪れたことがある」、「バード技能を1レベル以上習得している」という3つの条件を満たすキャラクターは、この魔剣の使用中でなくても、特殊終律【暗い日曜日】を使用することが可能です。ただし、この魔剣の使用中であれば、ダメージが4点追加され、さらに対象が精神抵抗力判定に失敗した場合、対象は10秒(1ラウンド)の間、一切の移動をすることができなくなります。

精神消耗

 魔力を帯びた陰鬱な歌と向き合ったことで精神的に消耗し、孤独を求めるようになります。
 「生命よりも愛していた」「死んでも開いてる私の目をみて」「特殊呪歌【グルーミィ・サンデー】」「特殊終律【暗い日曜日】」のいずれかを使用したキャラクターは、MPを回復する効果を受けるとき、その回復量を1/2します(小数点以下切り上げ)。また、極端に口数が少なくなり、聞き込み判定や、その他印象に関わる行為判定を行うことができなくなります。
 この効果は、空腹でない状態で、自分しかいない部屋で6時間以上休息を取ることで解消できます。魔法的には精神効果属性ですが、魔法的効果を解除する手段は気休めにしかならず、ゲーム的には40秒(4ラウンド)経つと再びこの効果が再発します。解除する場合、達成値は「0」として扱います。

「明るい曲調・情熱的な曲調」の呪歌
【アーリーバード】【ビビッド】【モラル】【ヌーディ】【ラブソング】【クラップ】【ダンス】【マーチ】
「暗い曲調・落ち着いた曲調」の呪歌
【アンビエント】【ノイズ】【バラード】【レクイエム】【ララバイ】【チョーク】【ノスタルジィ】【ビター】【ダル】【フォール】【リダクション】【レイジィ】【グルーミィ・サンデー】

 GMは、この魔剣の使用者が上記以外の呪歌や、呪歌でない曲を演奏する際、この効果が適用されるかどうか、その曲調に従って決定しても構いません。
 また、「生命よりも愛していた」の効果で生死判定にペナルティ修正を受けることを選んだとき、直後に【チャーミング】を「暗い曲調・落ち着いた曲調」の呪歌として演奏することができます。この効果は、持ち主が【チャーミング】を習得している場合のみ、直感する形で公開されます。

※「かつ△△属性」とある効果は、◯◯属性と△△属性のうち、対象ごとに不利なほうが適用されます。(『フォルトナコード』より)

由来・逸話

形状

 花の入っていないブーケです――歌い手の手に握られていない間は、白い布と白いリボンを魔動機文明時代の透明な樹脂でできた筒に巻き付けたものに見えます。バード技能を1レベル以上習得している者が手に持つと、その人物の印象を象徴するような花の、樹脂製の造花が内部に出現します。例えばヴィオラ・ジーニアスであれば、それはスミレの花。セージ・クレアリーであれば、それはクラリセージの花です。

由来・逸話

 古代魔法文明時代に神族殺しを目的として作製された第4世代の魔剣〈エターナル・バケーション〉の破片から作られた七振りの魔剣のうちの1つです。
 〈エターナル・バケーション〉の強い魔力を利用した呪歌の実証実験ツールとしての面があり、当時の資料からは「近しいものでありながら効力に差が大きい精神効果属性と呪い属性の統一理論の確立」や、「『楽素』『終律』の概念を持つ他大陸の呪歌研究と、呪歌のみで凶悪な効果を持つテラスティア大陸の呪歌研究の統合」が主眼に置かれていたことが窺えます。しかし、魔力のアクが強すぎたが故か、単なる実験作にしてはあまりに扱いづらい魔剣になってしまっています。
 名前の由来は、マリー・FU12(ファー)・ヘイローの楽曲「ソンブル・ディマンシュ」です。古代魔法文明語で「暗い(または、憂鬱な)日曜日」を意味しており、これを魔動機文明語訳すると「グルーミィ・サンデー」となります。
 マリー・FU12・ヘイローは魔動機文明時代に活躍した、陰鬱で重厚な楽曲を得意とする知る人ぞ知る歌手です。自身で曲を書くことこそありませんでしたが(それ故、彼女の肩書きは「吟遊詩人」ではなく「歌手」です。但し作詞作曲者は伏せられており、やはりヘイロー自身が作ったのではないかという説もあります)、魔動機めいた高精度の音感と、ルーンフォークらしからぬ高い精神力を持っており、その類稀なる歌唱力でカルト的な人気を誇っていました。この魔剣の開発者の中にも、彼女のしたたかで熱烈なファンがいたのでしょう。
 この魔剣に意識を持っている振る舞いはありませんが、これを手にしたものは自然と「この魔剣は『ソンブル・ディマンシュ』を聴きたがっている」「できるだけ多くの優れた歌手に歌って欲しいと願っている」と感じます。

迷宮の特徴

 魔動機文明時代の一般的な安いアパートメントの一室です。中ではあなたがあの人を待っています。床には花をたっぷり揃えた花束が置かれています。テーブルの上の蝋燭はまだ燃えています。あなたは椅子の上で目を開いたままあの人を待っています。あなたはあの人を生命の限り愛しています。それは空を厚い雲が覆う暗い日曜日のことでした。

余談

 原曲はハンガリー語で「Szomorú vasárnap(ソモルー・ヴァシャールナプ)」なんだよな〜と思っていますが、響きが聴き慣れなさすぎてねじ込むのを断念しました。心残りです。

製作者:Wanazawawww