Personal

　FHセル『ウォッチドッグス』のセルリーダーを務める、元UGNイリーガルの伊達男です。
　殆ど戦闘要員で固められたこのセルにおいて、数少ない交渉畑に属する人間でもあります。
　アルフレッド・J・コードウェルが起こした出来事に伴うイリーガルの混乱に伴い、元の協力関係にある支部との関係がどういうわけか極めて悪かったとされる彼は、それにより報酬金の支払いが二度滞った時、こう思いました。

“アレ、今ならコイツ殺せるし、ちょっと扱い悪くなってきたし、資材かっぱらって雲隠れするの良くね？”

　結果、『退職金』と称して所属支部の支部長をあらゆる手練手管で破滅に追いやり、そこに残っていた『賢者の石』と呼ばれるレネゲイド結晶体を素材とした重要な遺産を強奪。
　自分で使う───ことはなく、雑にコードウェル派の研究機関に手土産代わりとして売っ払いました。おわり。

　自身も文書の偽造から贋作の精製まで、白か黒かで言えば黒の向こう側でしかない手段でそれ相応の富を得ています。運び屋というカヴァーを持っていますが、実体は「誠意以外はなんでもある男」「現代の海賊」「FH版マーチャント」………。そんな彼がFHセル全体の監視役を兼ねるウォッチドッグスのリーダーに据えられているのは、そのセルを管理する“マスターブシドー”による采配とされています。察しの良い方は、これが5割ほど仕事を押し付けて彼の悪行を抑制するためのものだと気付いたでしょう。

　本人は人当たりが良く、俗っぽい性格をしています。
　ただし根っこは極めて刹那的で、また悪党で、自己中心的です。彼は仮に同僚であろうとも、目的のため、あるいは利害のため、信用に足らぬ関係ならば容易くそれを裏切ることが出来ます。
　一方で、手の届かない隠された高嶺の花をこそ愛でる傾向にあるようで、それが同じUGN離反組であり、そのきっかけとなる出来事で縁を持った“マスターブシドー”の命令に比較的協調気味なこと、本人の口に曰く「メカクレ」とかいう度し難い性癖を生み出す根元であるようです。

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