容姿・経歴・その他メモ

「衝動」があった。
友達が自慢する。　金色の折り紙・他の生徒より上等な彫刻刀・イラストの付いた鉛筆を転がして遊ぶための鉛筆。
手を伸ばそうとしてそれを押さえて。
知らぬ間に終わった片思い、終わらせた相手の女子の腕に爪を食い込ませるほど抓りたい。
クラスで起こった盗難事件、全く知らないのに巻き添えで遅くまで残された時に、叫んで飛び出したくなった。
前日勉強したはずなのにどうしても思い出せない世界史の問題、前の席の秀才の答案用紙を見れればと思って。

抑え込むのは当たり前の事だ。
でも、それに伴うストレスは、人によって違う。私はどうやら、人よりそれを強く感じるようだった。
そして耐えきれないと思った時、私は知らず知らずの内に「発散」する為に生きるようになってしまったようなのだ。
明るみには出ていない、でもクラスメイトの間では噂にはなっている。
それも仕方ない、だって、何度か盗みをしたのは事実なのだから。
でも、前よりも私は確実に笑えているよ。
どっちが悪いのかな。

反社会的な衝動を有してこそいるが、その欲望は「平穏」。
自分の学校生活が穏やかに過ぎていく事が何よりの幸福なのだ。 ただし一方で、その中で「衝動」を発露させる事も含まれる。
自分の中の抑えきれない欲望を発露させながら、それを表沙汰にする事なく平穏に日々を過ごす事。 身勝手極まりない事だが、それが梨香の最も望むものなのだ。

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