容姿・経歴・その他メモ

髪

黒

瞳

琥珀色

肌

ふつう

数百年続く大地主の家に生まれた待望の長男。
何故なら、彼の上には3人の姉しかおらず、家を継ぐ者がいなかったからだ。
自分がこの家を背負って立つのだというプレッシャーに耐えながら、彼はいつでもトップを獲り続けた。
自負があった。自分は他者よりも優れていると。
しかし彼が12歳のときに生まれた妹が、彼の歪みつつあった自尊心を変えた。
姉たちは皆、それぞれ違いはあれど強かな女たちで、ときに苛烈とも言える闘争心で、彼以上の功績を残し続けてきた。自分たちがどれほど優れていようと、いずれは男が全てを握るという旧態依然とした家の在り方に、全身全霊で抗っていた。見方を変えれば彼女たちも被害者だ。
しかし彼の幼心にそんな姉たちが恐ろしく見えぬはずがない。
だがここにきて初めて、彼には護るべき者が、いや、護りたい者ができた。
自分よりもこんなにも弱く、細く、小さい。
姉たちも嘗てはこうだったのかと思うと、不思議と彼女たちへの忌避感や恐怖が和らいだ。
妹のお陰で、家と、親と、姉たちと向き合う覚悟ができた。
そこからは早かった。
姉たちと力を合わせ、家の悪しき因習を断つためにあらゆる努力を重ねた。
八重垣の女は、いや、八重垣の子は皆強かった。
確固たる信念と、譲れぬもののために闘い抜き、自らの自由を手にしたのだ。
とうとう家を束ねるものたちが観念したとき、彼は大学卒業を控えた22歳、一番上の姉は27歳になっていた。
一つの家督を継ぐのではなく、適材適所に人材を割り振り、真の意味で家を大切にする。
そんな信念のもと、彼は徐々にではあるが、八重垣の家がもつ土地や不動産を受け継いだのである。
それから数年が経ち、彼の商売も軌道に乗り出した頃、ある事件が起きた。
FHのテロにより、自分の所有するビルが崩落した。それまでどこか他人事だと思っていた悪意を目の当たりにし、彼は激怒した。
彼らにも大切な者がおり、また彼らを大切に思う者がいるのだと思うとやり切れなかった。
その強い怒りが、彼の中のレネゲイドウィルスを活性化させ、彼は"ただ護るためだけの力"に目覚めたのである。

生き残れ。生きて帰って来い。
彼は任務の前に必ず口にする。
人々の安寧と生活と、彼らの大切な者のために。

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