FHエージェントのもとに生まれ、チルドレンとしての教育を受ける。
12歳の時にUGNによって保護され、所属支部は壊滅した。
その後は社会復帰のため管理されたアカデミアで学生時代を過ごすことになる。
年齢に似合わない音楽スキルを持っていれば当然周りから持ち上げられ、容姿も相まって《学園天使》なんて称号ももらった。
友人もでき、それらしい青春を過ごしている内に、才能のままに多くの楽曲を制作した。
大学卒業後、これまでの楽曲と共にミュージシャンとしてデビュー。その才能は天才として認められ、多くの人に受け入れられた。
それから2年、UGNからも離れ、人気もうなぎのぼりの頃に才能は底をつき、曲が書けなくなった。
当時自分に酔っていた詩音は焦り、部屋に閉じこもって鍵盤を叩く時間が続いた。
数日後、足元に広がるくしゃくしゃの譜面を前に何もできず、呆然としていた彼の元に一件のメールが届く。
あの頃いたアカデミアのような別の何か。生徒を見ていればかつての才能を思い出せるかもしれない。
考える余裕はなく、追い詰められ限界だった。
逃げるのはこれで最後だとゲートに飛び込み――百瀬詩音は消えた。