容姿・経歴・その他メモ

丁寧で優しく、容姿端麗ーーいたずらっぽいのはチャームポイントだ
いつも丈の長いスカートを履いている
彼女は何を頼んでもそつなくこなしてくれる
そして一仕事終えた後、彼女はいつも赤い飲み物を飲む
あれはきっとトマトジュースだろう
いつだって女性は健康が大好きだから
それは彼女も例外じゃ無いだろう

なぜ先輩達は彼女を避けるのだろう

——新人職員の独り言

『強烈な体験をした時の光景・匂い・味は脳に焼き付き、忘れられなくなる』
そう、聞いたことがあります
私はあの時の血の味を忘れられない
腹違いの妹が生まれた時、妹を産んだ義母は亡くなった
それでアイツは、妹を殺そうとした
妹を庇った時、私はアイツに切り付けられ、その血が口に入った
そしてアイツが持っていた刃物を奪い取り、刺し殺してしまった
全てが終わった時、そこにあったのは真っ赤な血溜まりと男の死体、その横で佇む私の姿
盛大に返り血を浴びた私は何故だか可笑しく感じて笑いが止まらなかった

あの子ーー華蓮はこの事を何も覚えていないでしょうね
きっと産まれた時から天涯孤独だと思い込んでいるはず
この事件はあの子が物心つく前だったから
あの日からあの子の姉だという事は伏せ、あの子に会うことも無くなった
今日、私は組織を結成する
全ては｟黒く焦げ付いていて読めない｠の為
いつか、あの子が大きくなった時、立派に成長している事を祈るわ
私みたいにはなってはいけないーー決して

——丸焦げの手帳、燃え残ったページ

とある傭兵組織「B.L.O.O.D(ブラッド)」の数名しかいないメンバーの1人であり、トップ
いつも右腕に包帯を巻いており、その包帯には血が滲んでいる
他人の困る顔が好きで、よく悪戯をしたり、脅かしてからかったりして遊んでいる
昔はそこまで酷くなかったらしいが、時間と共に性格が歪んでしまっている

彼女には血を飲むというかなり特殊な趣味があり、戦闘後に受けた傷の治療を行う前に、自分の傷から流れ出た血をいつも持ち歩いているボトルに回収している
その様子はまさに不気味そのものであり、その様子を見た者の大半は彼女を避けるようになった
これは彼女の組織にメンバーが集まらない理由の1つであり、精神疾患の影響と思われる

B.L.O.O.Dを立ち上げたのは彼女だが、その活動目的は不明瞭である
立ち上げた当初——6年前の彼女であれば目的を答えられたかもしれないが、今の彼女からまともな回答を得られる気はしない

UGNと本格的な協力関係が築かれる前、活動目的が不明瞭だった為(彼女の歪んだ性格もあって)他の職員の信頼を得られなかった
そのため我々は彼女とB.L.O.O.Dの調査を行った
その当時彼女が持っていたのは1本のペンと2冊の手帳、それも片方は丸焦げだった
彼女は丸焦げの手帳を拾い物だと強く主張しており、事情を聴取していた職員が気圧されてしまってそれ以上追及出来なかった
さらに彼女が精神疾患を患っている事は誰の目にも明らかであった
結局何度か軽い仕事を任せ、信頼に足るか確かめる事になってしまったが、職員の中に過去の彼女を知る人物が居た為、話を聞いた
その時の音声記録は下記に添付しておく
以上で身辺調査は終了するが、私は個人的に調査を続行する事にする
これだから凡人は
1人の方が調査が早く終わる

P.S
彼女には妹がいるという噂がある
しかし当人は妹の存在を否定していて、また苗字が「東條」の人物に血縁者は存在しなかった
しかし、普段まともな応対をしない彼女があれほど強く否定するのは、丸焦げの手帳の時以来だ
過去の事件と妹の存在、彼女の反応と精神疾患
そして丸焦げの手帳と彼女の能力
「華蓮」とは一体誰の事だ？
何かしらの関係がありそうだ
「華蓮」なる人物を中心に引き続き調査を続行する

——とあるUGN職員Aの報告書

—音声記録：○月×日(曇り)
記録開始-
職員A：さて、じゃあ早速話してくれ
職員F：はい、彼女と会ったのは5年ほど前、ちょうど彼女がB.L.O.O.Dを立ち上げた直後でした
たまたまファルスハーツ絡みの現場で会ったんです
職員A：その時の彼女の印象はどうだった
職員F：物腰が柔らかく、かなり好印象でした
…今の彼女が別人に見えます
職員A：そこまでか…
彼女は君を覚えていなかった、それについて何か心当たりはないか？
職員F：彼女、ある一定以上過去の記憶を殆ど思い出せないらしいんです
職員A：なに？
職員F：私にも理由は分からないんですが、思い返してみれば当時の彼女の様子は何か変でした
あの時にはもう既に精神疾患を患っていて、その影響で記憶を思い出せないのではないでしょうか
職員A：…なるほど、厄介だな
隠しているわけではなく思い出せない…と
しかし記憶喪失と考えると彼女の発言におかしな点が幾つか出てくる…
…一部だけ覚えている？
何故一部だけなんだ？
職員F：えーと、もう終わりましたか？
職員A：つまり…ということか？いやそれでは——
職員F：……『記録終了』
-記録終了

——職員Aと職員Fの会話記録

…やっと彼女の健康診断及びメンタルチェックの結果が回ってきた…
これだから凡人は…健康診断やメンタルチェックも私がやるべきだったか…

ともかく結論から言えば、彼女の健康診断結果は概ね異常は無かった
…彼女の特殊な血液型と腕の怪我以外は
彼女の血液型はRh null型
黄金の血と呼ばれるRh null型の血液型は全世界に50人程度だ
黄金の血はどんな血液型の人にも輸血が可能な万能の血液だが、同時に彼女への輸血は同じ黄金の血でしか出来ない
つまり、彼女は大量に血を失えば死以外の選択肢がないということだ
彼女の能力は血を使うというのもまた皮肉だ

そして彼女の右腕の怪我…これは一体何だ？
切り傷ではあるが自分で怪我をしたとすると不自然すぎる
さらに全く治る気配がないだと？
ふむ、調査する事が増えてしまった様だな…

また健康診断の結果から推察するに、恐らく彼女の年齢は40歳前後だと思われる

続いてメンタルチェックの結果を確認する
…やはり、というか案の定彼女は精神疾患を患っている
精神疾患の影響と思われる項目は、「記憶障害」「血飲趣向」「感情異常」

記憶障害はどうやらここ2・3ヶ月以上過去の記憶を喪失しているらしい…難儀だな
血飲趣向に関しては言わずもがなだが、透明なボトルに保管していたり、何を飲んでいるか問われれば、何事も無いように血液である事を伝えるあたり、隠す気はない様だな
感情異常は他人の困る顔や怯える様子を見る事で喜びを感じるらしい
…あの変な応対はそういう事だったのか…気付かなかったな

とりあえず報告は以上だ
後で検査を行った人物に会って、こんなにも時間がかかった理由をしっかり問い詰めておかなければ…
全く、報告する立場にもなってくれ

——とあるUGN職員Aの報告書2

追記

セッション履歴