ギターと歌を愛するごく普通の高校生だったが、バイトの面接中に雑居ビルを標的としたFHのテロに遭遇。レネゲイド散布爆弾によりビル内のレネゲイド濃度は著しく上昇し、居合わせた人間の殆どがジャーム化した。自身は覚醒するも幸い理性を保っており、ジャームの群れに襲われかけたところを、先行して潜入していたUGNエージェント“ロータス”に助けられる。ヘリでの救出に際し“ロータス”が囮となって殉職したのを後から知り、イリーガルを志望。チルドレンの立科 沙希による監督の下、任務に参加するようになった。

前向きかつ感情豊か。思い切りが良く物怖じしないが、考えなしの行動で後悔したり、悩みや問題から無意識に目を背けてしまったりすることも。成績は下の上、テストは一夜漬け。覚醒後も振る舞いは変わらず、UGNにもすぐ馴染んだ。
一方で表には出さないものの、自分を助けるために“ロータス”が殉職したことを引きずっている。イリーガルとしての活動を決めたのも、UGNの理念への共感や日常の尊重より、助けられた責任を感じている部分が大きい。また犠牲をもって命を救われた経験から、自他ともに命が粗末に扱われることを嫌う。
UGNにおける先輩の立科 沙希は、立場に見合う実力と覚悟を持った尊敬の対象であり、また目標でもある。反面自分が成り行きで力を手にし、守りたいものも漠然としていることから、彼女に劣等感を抱くことも。
元バンドマンの父の影響で中学の頃からギターを弾き始め、高校に入ってからは動画や作った曲をウェブに投稿しており密かに人気。ジャンルはパワーポップやロック。日々感じることは変わったが、日常を忘れないよう敢えて作風は変えていない。バンドにも興味はあるが、同年代の仲間が見つからない今日この頃。

能力は武器類の性能強化と、光および電流の制御。どれも単体で強いものではないが、全てを活用できるレーザーランチャーとは誂えたように相性抜群。発電細胞で電力を供給し、光の操作でレーザーの軌道を制御しつつ減衰を防ぎ、構成部品を強化・錬成して反動抑制や強制排熱を行う。
特筆すべきは数ヶ月前に発現した、賢者の石による爆発的な能力増幅。膨大な電力を瞬時に供給し、戦術規模の威力でレーザーを投射可能となる。身体及び侵蝕率の負担が大きいため持続時間はごく短い。発動時には赤い結晶が右腕に鰭状に並んで発生する。

携行型レーザーランチャー“カルナ”Mod.3。コードネームの由来でもある、インド神話の英雄の名を冠した試作武装。ブラックドッグ発症者との結線によりジェネレーターに直接電力を供給、発生させたレーザーを収束し弾頭として投射する。4挺製作された試作機の1つだが、様々な要因から独自の改修が重ねられている。
本来の所有者は“ロータス”であり、彼が殉職した事件で高濃度のレネゲイドに晒された結果、EXレネゲイドに感染。劇的な性能向上と引き換えに、侵蝕率が常に80〜120%で推移し使用者の侵蝕率までも急激に上昇させうる不安定な状態となった。制御が可能なのは同種のレネゲイドで覚醒した千晴のみで、当人の希望もあり実質的な彼女の専用武装となる。
併せて改修されたMod.2ではエフェクトとの組み合わせを前提に設計を見直し、跳ね上がった出力をフルに活かすべくレーザー変換効率と耐久性を向上。一方で冷却装置は使い捨てのヒートシンクに換装し、射撃後に“排莢”しつつ錬成で即座に補充することで、電力を最大限攻撃に回しつつクールタイムの短縮に成功した。
現在のMod.3は賢者の石の発現に対応し、能力増幅時に1度だけ、性能を限界以上に引き上げる限定解除形態“ヴァサヴィシャクティ”を搭載した。起動時は機関のリミッターを解き大電力を最高効率でレーザーへ変換し、砲身を展開して収束率を上げつつ口径を拡大。さらに地面に打ち込む固定用アンカーや、流体金属によるヒートシンクの追加展開、後方への余剰エネルギー放出で反動を制御する。
隠匿が困難であり危険性も依然高いため、平時はUGNの支部で厳重に管理されており、戦闘時は千晴からの要請と支部の承認を経て現場にコンテナごと射出される。