容姿・経歴・その他メモ

　「近づかないでください。怪我しますよ」
　「メメになにかご用ですか？」
　「私には家族も、友人もいません。ですが、それでも私はここにいます。父からもらったこの名と共に」

　指定暴力団“八十会”の一人娘。
　幼少期にオーヴァードヤクザとの抗争に巻き込まれ、組は壊滅。両親も死亡し、天涯孤独の身となる。
　その惨状を目の当たりにしたときにオーヴァードへと覚醒、襲撃者を含めた唯一の生存者としてUGNに保護された。

　上記の襲撃を予期していた父親の手により、彼女の身分は予め処分されていた。身分や経歴、名前すら破棄されたその徹底ぶりは、カタギとして生きて欲しいという親心だったようだ。
　彼女があの場にいたことを示す唯一の証明は、名字を網掛けで、名前を「××」と塗り潰された命名書だけだ。それすらも、彼女のものである明確な証拠はない。
　それでも彼女は書類上「××」の名で扱われ、そのままUGNチルドレンとして保護されることになった。能力に由来するコードネームさえあれば、特には困らなかったからだ。
　ちなみに「三川」の姓は、命名書を塗り潰す網掛けを見た当時の担当者が適当につけた姓である。

　彼女が保有するレネゲイドは、生命体に流れる電気を操作する能力として覚醒した。脳から筋肉へ命令を伝達する電気信号を自在に操作することで、身体能力や反応速度を飛躍的に向上させることができる。また伝達細胞の超発達に伴い、思考能力や判断力も向上する。
　ただし彼女のレネゲイドは、同じレネゲイドへの異常な攻撃性を有している。『対抗種』と呼ばれるそれはひとたび励起されれば、彼女の細胞や神経を傷つける。
　伝達信号となったレネゲイドは彼女の全身を駆け巡り、そのまま全身の神経を焼き切る。その信号を受けた細胞は信号そのものによって引き裂かれ、また細胞同士で分解を繰り返す。彼女は能力を使うたびにレネゲイドに全身を蝕まれ、そのたび激痛に苛まれるだろう。

　覚醒当時は呼吸や瞬きひとつにも激痛が走り、そのたびに痛みに喘いだものだが……彼女は長年の訓練によって痛みに“慣れる”ことに成功している。
　また彼女の生体電流そのものが『対抗種』としての性質を有しているため、他のオーヴァードは彼女に触れることすらままならないだろう。特注品の絶縁手袋は、彼女の必需品だ。

　彼女はそのレネゲイドを、銃弾に宿して攻撃する。撃ち込まれた弾丸は敵対者のレネゲイドに反応し、体内の電気信号を介して即座に全身へと広がる。そうしてすべての細胞と神経を破壊するのだ。

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