多少の非日常的な出来事も割とすんなり受け入れてしまう性格から能天気な印象を持つが、そこには心の弱さを表に出すことで人に心配をかけさせまいとする彼女なりの気遣いが関係している。
誰かが傷つくことが嫌で、人を助けるためなら身を削ってまで頑張ろうとする自己犠牲的な一面がある。

中学生の時、いつもの帰り道に見慣れない段ボールがあり、近づいてみると「拾ってください」と書かれたプラカードと共に、思わず目を奪われるような美しい黒猫がいた。運命を感じた雪は、その猫にシャノンと名付けその日のうちに家に連れて帰り飼うことに決めた。

シャノンとの生活は雪に幸せをもたらした。普通の猫とは少し変わった彼女のことを見ていると、驚きこそすれ新鮮な毎日だった。シャノンとの生活が引き金となり、その身に異変が生じ始めていたことなど知る由もなかった。

中学を卒業し高校生となった雪は親しい友人もでき、週末はボランティアを行うなど充実したごく一般的な高校生活を送っていた。そうして高校入学から一年と数か月の時を経た雪は、日常とは外れた世界へ巻き込まれていくこととなる。