容姿・経歴・その他メモ

髪

黒

瞳

黒

肌

黄

『繰り返し、繰り返し。毎晩あの時の夢を見る。
　雨の降りしきる夜、業火に燃える屋敷。
　焔を背に、胸から血を流し倒れる母親。血に濡れた掌を握りしめ、母を抱きしめる父親。
　父さんは俺に何か語り掛けるが、雨と炎の音に遮られ、俺の耳には届かない。
　炎が燃え盛る。それに呼応するかのように俺の中でどす黒い怒りが沸き上がる。
　俺が言葉にならない叫びを上げると、”それ”は解き放たれ、父さんの身体を………』


・FHセル”天国への階段（ステアウェイ・トゥ・ヘヴン）”のセルリーダー。
　”天国への階段”は「ただ生きる」を目標に掲げ日々を自堕落に生きるセルであり、普段の業務成績も芳しくない。
　しかしながら上層部に目を付けられない理由として、「UGNの作戦を効率的に潰している」という特異性がある。
　これは同じ孤児院出身であるUGN支部長「祠堂 嶺」との間に築かれた情報網を用いて行われたものであり、
　互いに自分の所属する組織に悟られぬよう互いの情報を交換している。

・交換される情報は基本的に「世の中の為にならない、潰えるべきもの」と判断したものに限られており、
　特にUGN側である祠堂からの情報は非常に限られたものとなっているが、そのお陰でUGN内部の数多の陰謀が未然に防がれている。
　(この事から事情を知る一部の人間からは「玄寺が祠堂から一方的に恫喝されている」ように見えるという。)
　交換材料は情報のみならず資金や人材なども含まれ、秘密裏ながら相当量の資産がこの二人の手により流動している。


・幼少の頃は良家の子息として何不自由なく生活していたが(忠親曰く「両親共に仕事もしてないのにやたら金持ちの家」)、ある日屋敷が全焼。
　両親もその際他界し、何故か遺産も全て失われ孤児院へと入る事となり、そこで祠堂と出会う事になる。

・忠親には知らされていなかったが、母親は”不死者”と呼ばれる種の最後の生き残りであり、父親は代々その”不死者”を殺す力を持つ一族の当主であった。
　人類の敵と教えられ続けてきた最後の”不死者”を狩るべく屋敷へとやってきた彼は、彼女の儚い美しさと心優しさ、気高さと人間に対する想いに触れる。
　またそんな彼女らに自らの一族が行ってきた仕打ちを知らされ、一族を裏切り彼女を守る道を選ぶ。

・彼女との間に忠親を授かった彼は一族の当主としての技量に加え分け与えられた不死の血の力を用いて刺客を退け続けるが、
　ある日屋敷に火を放たれた際彼女とはぐれてしまう。
　燃え盛る屋敷の中で見つけ出した彼女は既に事切れており、その胸には自らも愛用した銀の短剣が突き立てられていた。

・屋敷に火を放たれた事に気が付いた母親は、延焼の心配がない離れに忠親を隠した。
　忠親に自らの血が流れている事から刺客の凶刃が息子に及ぶ事を恐れた彼女は、”不死者”が滅びたと刺客に思い込ませる為ここで果てる道を選ぶ。

・すべてが終わった後忠親が目にした光景は、燃え盛る屋敷を背に、父の短剣を胸に突き立てられ物言わぬ骸となった母を抱く父の姿だった。
　激昂した忠親は一族の力───オーヴァードに覚醒し、不死の力を得た父親を殺害する。

・両親の死後、忠親が遺産を手に入れられず施設に預かられる事になったのは、
　両親の”自分達に何かあった時、息子には生まれに縛られず自由に生きてもらいたい”という計らいによるものである。


・彼の主な能力は”不死”、”不死殺し”の2つである。

・”不死殺し”による能力は心臓を貫く短剣から血液を放出し操るもので、能力使用時は血液を腕のように変化させ操る事が出来る。
　また短剣は右の掌を磔にしており右手が使えない為、戦闘時はこの血の腕を用いて父親譲りの戦闘術で血を纏わせた短剣を投擲し戦う。

・”不死”の能力は彼にオーヴァードとしても異常な程の再生能力を与えており、肉片になってさえ血液が残っていれば即座に肉体を再生させる事が出来る。

・2つの能力は彼の体内で常にせめぎ合っており、”不死”の能力が持つ不老性は半ば失われている為、彼自身は普通の人間と同じように成長し、歳を取る。

・特注の戦闘服は同じく再生能力の高いジャームの皮と骨を繋ぎ合わせて作られたものであり、彼のレネゲイドに反応して共に再生する。
　(最初は所々にデカめの髑髏が付いていたが、「流石に髑髏はやめてくれ」という本人たっての希望により取り外された。)


・上記の過去のせいか、彼自身は人生や世界に対し非常に捻くれた見方をしており常にネガティブな言動が目立つ(主にこれが原因で祠堂との諍いが絶えない)。
　しかしながら人間同士の絆や情を否定する程絶望している訳でもない為、FHに所属しながらも基本的に人間の為に行動している。
　要するに「本気で世界平和を成し遂げられるとは思わないが、目の前の悪を見過ごす事も出来ない」性格。

・最もこの行動理念は過去の父親を殺害した罪悪感による”罪滅ぼし”と呼べるものであり、必要とあれば他者を害する事に躊躇いは無い。
　全ては「世の中の為、家族の為」という理念の為によるであり、彼自身の欲望と呼べる物は何もなく半ば自暴自棄ともとれる闘いをする事も多い。
　FHに所属し活動する理由もその自らを省みない性格によるものであり、「悪事を潰すなら悪事の生まれる所へ」という考えから。

・祠堂からはその行いを常に心配されており、情報交換もより安全に確実に互いの組織の悪事を潰す為で行っている。
　(最も傍から見ると玄寺が一方的に尻に敷かれているように見えるのだが)。

セッション履歴