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「よくわからないけど君が私にとってとっても大事な人で君を養うためにはお金が必要だってことはわかった！」
とある小さなカフェで調理担当をしている女性。暁とは幼馴染で記憶がなくなる前は恋人の関係だった。そう、平凡でどこにでもいる少し料理が得意な普通の女性だったのだ。あの事件が起きるまでは。
３年前、いつもの通り店仕舞いの手伝いをしてから暁と共に夜道を帰っていた。いつも通りの日常、少し違うのは連続変死体事件が多発していたことだったが一香は自分とは無縁の世界だと思い一日が終わると思っていた。非日常とは無縁な平凡で少し甘い日常は彼女の目の前で一瞬で崩れ去った。耳のとがった赤い目の男が一香に襲いかかろうとし、それをかばった暁が男に牙を突き立てられ血を吸いつくされ死んだはずだった。神のいたずらか、なにかしらの因果が絡み合った結果なのか、暁は生き返った。皮肉にも吸血鬼として。さて、復活したのち祖父から聞いて無意識に覚えていた儀式で血盟を結び吸血鬼を撃退したのはよいが一香は代償として暁に関するすべての記憶を失ってしまったのだ。
　そして、通報を受けて駆け付けた斬鬼衆に保護され事情を把握した一香は暁が一香の大切な人で養う必要があると感じ斬鬼衆が提案をする前に自ら鬼狩りを志望し、給料の支払いの契約を取りつけ今に至る。

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