【人族】
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“復讐の黒翼”チェリオ=ハウディ
(バーレス魔術師ギルド暫定ギルド長)
知能:人間並み 知覚:五感 反応:中立
言語:交易共通語、ザルツ地方語、魔法文明語、魔動機文明語、神紀文明語、エルフ語、ドレイク語、魔神語  生息地:街
知名度/弱点値:12/ー 弱点:なし
先制値:8 移動速度:18/18(飛行)
生命抵抗力:11(18) 精神抵抗力:12(19)
攻撃方法 命中力 打撃点 回避力 防護点 HP MP
武器7(14)2d+77(14)24351
特殊能力(◯:常動型 〆:主動作型 ☆:補助動作型 ☑:宣言型 ▽:条件型 ▼:条件選択型)
穢れの酒の代償
 1点の穢れを得ています。

○〆レイヴンの翼
 穢れの酒により生えたレイヴン(『IB』118頁)の翼です。主動作で折り畳んだり開いたりできます。
 翼を開いている場合、飛行が可能となり近接攻撃の命中・回避に+1のボーナス修正を得ます。
 翼を折り畳んでいる場合、掌くらいの大きさに縮み、上から服を着ることによって隠すことができます。

真語魔法9レベル/魔力13(20)
召異魔法1レベル/魔力5(12)

○☑魔法適正
 戦闘特技《魔法誘導・収束・制御》《魔法拡大/数・時間》を習得しています。

研究職
 セージ技能で行えるすべての判定を基準値11(18)で行うことができます。
 スカラー技能で行えるすべての判定を基準値12(19)で行うことができます。
 戦闘特技《弱点看破》を習得しています。

フィールドワークの心得
 スカウト技能で行えるすべての判定を基準値8(15)で行うことができます。

剣の加護/運命変転
 行為判定や打撃点決定、魔法の威力などで2dを振ったとき、直後にその出目をひっくり返します。
 この能力は1日に1回だけ使えます。
戦利品
自動 血塗られた黒羽(1,000G/赤S)
2~7 なし
8~ 銀貨袋(100G/-)×2d
解説
 バーレス魔術師ギルドの頂点に弱冠23歳にして立った若き才媛です。先代ギルド長を始めとした多くの年長者が、先月の地下遺跡調査中に発生した落盤事故により亡くなってしまったがゆえの繰り上げ人事ではあるのですが、この若さにして第九階位に到達しており、肩書から暫定の二文字が消える日はそう遠くないと言われています。
 バーレスは〈守りの剣〉を2本しか有していないという街の環境からたびたび蛮族からの襲撃を受けており、その影響かここの魔術師ギルドは理論より実践を重視する傾向にあります。先月の多くの重鎮が死亡した落盤事故のきっかけとなった遺跡調査もその一環であり、ここの魔術師ギルドの者が冒険者を伴ってフィールドワークに出かけるのはそう珍しい光景ではないようです。

 実は、先月に先代ギルド長を含むバーレス魔術師ギルドの重鎮が死亡した理由は、落盤事故ではありません。お互いにとって不運なことに、彼らが調査対象に定めた地下遺跡には、当時オーメルが人目を引き付けている裏で脱出したレイナード一味が潜伏していたのです。
 ひとつの街の魔術師ギルド首脳部を潰して人族から注目と敵意を集めるメリットなどレイナードには皆無です。しかしレイナードの作品はボガードミュータントやレッドキャップボマーなど知能の低いものが多く、彼女が予期せぬ闖入者に気づいたときにはすでに作品群によってチェリオ以外は全滅していました。
 やむを得ずレイナードはチェリオを〈魔神の苗床〉に変え、洗脳を施します。そしてチェリオ自身に隠蔽工作をさせることにより、彼らの死は無事に事故として処理されました。

 レイナードの手駒として〈魔神の苗床〉のまま人族領域に戻り、積み上げた実績と人望から暫定ギルド長の座に就き引き継ぎ処理に奔走されたチェリオですが、初期の〈魔神の苗床〉は思考が偏向することはあっても、感情が消失するわけではありません。
 仲間を喪った悲しみは非常に重たいものであり、彼女は先代ギルド長のワインセラーから幾本か酒を失敬し、慣れないアルコールでそれを和らげようとしました。その中に道楽か研究資料か、〈穢れの酒〉があったことが彼女の運命をさらに翻弄します。穢れと共にレイヴンの翼を得てしまったのです。
 穢れを得たことにより〈魔神の種〉はゆっくりと枯死していき、徐々に解かれていく洗脳と正気に戻ることにより直視せざるを得なくなった仲間の死、自身が異形と化したことによるショックが彼女の精神を着実に蝕んでいきました。
 そして〈魔神の種〉が完全に枯れ落ちたころ、チェリオは一つの妄執に憑りつかれます。

「仇を討てと叫ぶ仲間の妄執が、自身を化け物に変えたのだ」

 それは復讐という目標を定めることによって軋む心から無理やり目を逸らす防衛本能であったのかもしれません。とかく彼女はレイナードに仲間の殺した罪を償わせるために動き始めました。

 しかしチェリオの暮らすバーレスは蛮族の襲撃をたびたび受けるところであり、愛しい人の死は決して珍しいものではありません。彼女の師でもあった先代ギルド長は戦が終わるたびに酒を片手に『憎悪の炎を燃え広がらせてはならない』と語ったものでした。
 彼女はまだ心のどこかで迷っているのです。
作成者:藤双樹
最終更新 : 2016/11/29-03:10:14

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