【アンデッド】
15
プロトタイプ
知能:高い 知覚:魔法 反応:敵対的
言語:交易共通語、汎用蛮族語、ドレイク語、魔神語、魔法文明語  生息地:不明
知名度/弱点値:18/24 弱点:物理ダメージ+3点
先制値:12 移動速度:12
生命抵抗力:21(28) 精神抵抗力:23(30)
攻撃方法 命中力 打撃点 回避力 防護点 HP MP
パンチ9(16)2d+109(16)15190135
特殊能力(◯:常動型 〆:主動作型 ☆:補助動作型 ☑:宣言型 ▽:条件型 ▼:条件選択型)
神聖魔法15レベル(ラーリス)/魔力20(27)

真語・操霊・深智魔法7レベル/魔力12(19)

○☑魔法適正
 戦闘特技《魔法誘導・収束・制御》《魔法拡大/数・距離》《鷹の目》《マナセーブ》を習得しています。

罪ノ重圧
 この魔物が存在する乱戦エリア内においてダメージを受けた対象は、ただちに目標値15の精神抵抗力判定を行います。失敗すると行動判定に-1のペナルティ修正を受けます。
 この効果は戦闘終了まで継続しますが、1ラウンドに1回まで補助動作で目標値15の精神抵抗力判定を行うことで、解除を試みることが可能です。
 この効果は精神効果属性(弱)として扱います。 

マリオネット・カース
 この能力を宣言してから行われた攻撃・回復の効果を受けたキャラクターは、目標値25の精神抵抗力判定を行います。失敗するとそのキャラクターは正気を失い、次の手番にもっとも近くにいる相手に全力で攻撃を行います。その攻撃が全力に当たるかはGMが判断します。攻撃目標となりうる対象が複数存在する場合は、その中からランダムに目標を決定します。
 この効果は精神効果属性(弱)として扱います。

行使強行
 主動作を2回行います。ただし、行える内容は攻撃と回復がそれぞれ1回ずつに限定されます。
 移動したラウンドはこの能力の使用ができません。
 
戦利品
2~6 呪われた目玉(500G/赤A)
7~16 呪縛の枷(5,000G/赤黒S)
17~ パーフェクト・ウロボロスカース(100,000G/赤黒SS)
解説
◇修正点一覧概要

・ベースデータの用意
 フィーリングで組むととんでもない数値になるので、基準となる公式データを用意します。
 今回は邪教の高司祭(『Ⅲ』302頁)をベースに、一部レブナント(『Ⅰ』357頁)も参考にしながら、『Ⅱ』308頁から収録の『魔物の強さを変える』処理で作成しています。本来この方法では+1レベルを超える改変は望ましくないのですが、基本データの有無はデータの妥当性に大きく影響しますので、ないよりはあった方がずっといいです。
 実際、レベル15でありながら知名度25/弱点値40は抜かせる気があるとは思えません。これはPLのやる気を大きく削ぐことでしょう。どうやって目標値を算出したのか、明確な答えを用意できるようにしましょう。

・文体の統一
 データとして公開する以上、自分にしかわからない書き方は望ましくありません。文体は公式のデータの記載方法と極力統一しています。特に、名詞の改変は望ましくないので控えましょう。公式には無いデータを用いるときは、誤解の余地の少ない明確な記載が必要とされます。
 魔物の能力に関する注釈は『EX』63頁からに載っています。しっかり読み込んで把握しておきましょう。

・「分類:蛮族」→「分類:アンデット」
 「知覚:魔法」を持つのはたいていがアンデットや魔法生物など、相応の背景を持つ種族です。蛮族の知覚としては「知覚:五感(暗視)」が妥当でしょう。どうしても蛮族のまま「知覚:魔法」を持たせたい場合は、相応の背景を用意しましょう。「知覚:魔法」は強力なので、その分デメリットを持つ背景が望ましいです(半ばアンデット化しているため、一部の回復魔法が効かないなど)。
 今回の場合、神聖魔法による毎ラウンドのHP全快が適応されないように、分類を蛮族ではなくアンデットに変更してバランスを取りました。

・言語に交易共通語と魔法文明語を追加。
 たいていのPCは交易共通語で話すので、これが無いと会話が成り立たない場合があります。知力特化キャラなので所有していない理由が無く、習得させました。魔法文明語は真語、操霊、深智の前提なので持っていない方が不自然です。

・HP、MP、抵抗の算出
 エネミーデータと言え、数値の算出に計算は必要です。HPや生命抵抗の算出にはレベルと生命力が関係してきます。レベル15でありながら生命抵抗が10であり、であるにもかかわらずHPが500などというのはあり得ないわけです。
 上記のデータには剣のかけらを20個積むことによってHP、MPおよび抵抗を水増ししています(『EX』125頁)。

・魔法の分類分け
 HP、MP、抵抗の算出と同様に、魔力の算出にも計算が必須です。習得レベルが違うのに魔力が共通などと言うことは、普通はありえないわけです。もしそのようなありえない能力を習得させたい場合は、きちんと第三者に伝わるように明確に記載する必要があります。

・魔法適正の整理
 公式に則った記載の仕方に変えています。また、戦闘特技の習得数もPC作成のそれに則って8個(オリジナル宣言特技を含み、マナセーブを含まない)に調整しています。

・オリジナル能力の整理
 元の記述から判断される、妥当と思われる記述に内容を変更しました。「○罪ノ重圧」は発生条件、および解除条件を明確にしました。精神効果属性(弱)はダメージを受けたら解除されるので累積に対する記載をカットしました。精神効果属性(弱)についての詳細は『EX』166頁を参照にしてください。

・戦利品の調整
 フリーキャンペーンである以上、後続キャラとの格差が激しくなるオリジナルアイテムは大変望ましくありません。ゆえに、純粋に金銭に交換できるアイテムに変更しました。
 また、このゲームではどう頑張っても戦利品獲得の出目は現状「21」が理論的最大値のため、最大30の数値は削除しました。あれではエネミーの強さを主張するというより、PLに「このGMはちゃんとルールブックを読み込んでいるのだろうか」という疑念を与えることになりかねません。

◇総評
 Lv8前後のPCたちに出す敵としてはかなり強敵ですが、まあ勝ち目がない相手では無いと思います。ただ、出す場合はしっかりとデータと戦場の情報をある程度開示し、PLに対策を立てる時間を与えることが公正で楽しいマスタリングに必要不可欠でしょう。
 事前情報なしの遭遇戦だとまず死にます。それは殺意ではなく理不尽です。取り巻きもこの魔物と同格ではなく、PCと同レベルか少し低い程度の公式エネミーを採用するのが無難でしょう。実際の卓でいきなり運用したいのなら、模擬戦を事前にGMが一人で行い、勝ち目が存在するのか確認する作業も必要です。
 この魔物は複数宣言を所持していないので、宣言型の能力は1ラウンドに1回しか使えません。それが攻略のカギとなることでしょう。上記の評価は複数宣言を持っていない上でのものなので、これにさらに複数宣言を追加するのは強くお勧めしません。
 下手に能力を付け加えて処理を煩雑化させるよりも、既存の数値を計算式を含めしっかり把握し、どのように戦闘が行われるか予想図を克明に想像できるようにするべきでしょう。
作成者:藤双樹
最終更新 : 2016/05/28-19:28:00

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