名称:”ディストピア” "時の楔" クリームヒルデ(ドレイクヴァイスグレーフィン(人間形態))
モンスターレベル:14 分類:蛮族
知能:高い 知覚:五感(暗視) 反応:中立
言語:交易共通語、魔動機文明語、汎用蛮族語、ドレイク語、魔法文明語 生息地:バルナッド地下遺跡
知名度/弱点値:16/26 弱点:魔法ダメージ+2点
先制値:22 移動速度:27/54(飛行)
生命抵抗力:18(25) 精神抵抗力:19(26)

攻撃方法:武器/命中力:19(26)/打撃点:2d+22/回避力:17(24)/ 防護点:18/HP:180/MP:95

特殊能力(◯:常動型 〆:主動作型 ☆:補助動作型 □:宣言型 ▽:条件型 ▼:条件選択型)
○精神効果無効

○複数宣言=2回

〆操霊魔法13レベル/魔力18

□魔力撃=+18ダメージ
 回避・生命抵抗・精神抵抗力判定に-1。

○□〆魔法適性
《マルチアクション》《魔法誘導》《魔法収束》《魔法制御》《魔法拡大/数》《ワードブレイク》習得

○飛行

☆練技
【ガゼルフット】【ビートルスキン】【マッスルベアー】【キャッツアイ】【ケンタウロスレッグ】
【スフィンクスノレッジ】【デーモンフィンガー】【リカバリィ(8点)】習得

☆瞬時竜化
竜形態に変化する。同時にHPとMPが最大値まで回復し、魔法などで自身に与えられているあらゆる効果が消滅する。一度行うと、1時間は人間形態に戻れない。

〆永遠の魔剣「エーヴィヒカイト」
永遠の名を冠する直刃の魔剣。鍔の飾りが∞の形をしている。
この魔剣を使用すると、自身にかかっている、効果時間が1ラウンド以上のあらゆる効果の効果時間が経過しなくなる。
カウント・オブ・デスなどのラウンド経過によるカウントも一切進行しない。
この能力を解除する場合も、主動作で行う。効果時間以上の時間が経っているものは、その時点で消滅する。
クリームヒルデ以外が効果を解除しようとするにはパーフェクト・キャンセレーションが必要となる。
抵抗:短縮で、クリームヒルデが抵抗に成功したものでも、ラウンドが経過しても継続してしまうことが弱点。

○精神支配
魔剣「エーヴィヒカイト」のもう一つの能力。
1カ月以上もの長い間クリームヒルデの支配を受けていると、徐々に心が死んでいき、
クリームヒルデの命令に自発的には逆らえなくなり、配下の蛮族などは全員○精神効果(弱)無効を得る。

▽娘の反抗による動揺
娘のアーデルハイトによる制止の言葉を受けた場合、1ラウンドの間、あらゆる行動判定に-4のペナルティを受け、与える物理、魔法ダメージも4点減少する。また、○精神効果無効の能力を失う。
この効果は、当然「エーヴィヒカイト」が発動している間は永続する。
この効果は1戦闘の内1回だけしか発動しない。

戦利品
 自動:折れたエーヴィヒカイト(30000G/金SS)
 2~7:竜人の角(500G/赤A)
 8~13:美しい竜人の角(4200G/赤S)
 14~:高貴な竜人の角(12600G/赤SS)

解説
HPとMPは剣の欠片15個で強化されている。PCは3人~、レベル10~11で挑むことを想定している。


「完璧に管理された社会、それこそが理想の世界なのだ」

「アーデルハイト…我は…どうすればいいのだ…?」

旧バルナッド国内に存在した鉱山の地下遺跡、アオスブルクを治めるドレイクバイカウント。メス。
クリームヒルデの蛮族社会ではドレイクヴァイスグレーフィンと呼ぶ。
〈大破局〉ではバルナッドを攻撃した指揮官の一人であり、一糸乱れぬ統率がとれたクリームヒルデの軍隊は多大なる成果を上げたことで知られている。
戦いが一段落したあとは、捕虜にした人族を奴隷として増やし、蛮族の攻撃欲求を極限まで抑えつけた管理社会を実現しようとしたが、当時の同方面の蛮族軍の指揮官である、バジリスクのファルフッジの妨害により、300年間実現できていない。それどころか、領地と配下の大半を奪われてしまうという悲惨な結果となっている。
残った者は、蛮族の中でも爪弾きにされているバルカンやダークドワーフ、規律を重んじるフォモールなどの種族である。また、戦力としてタロスを配備しており、数は少数だが、ファルフッジの軍勢と互角に戦えている。

元々クリームヒルデは、ドレイクには珍しく戦いを好む性格ではなかった。娘のアーデルハイトを産んだことで、安住の地をより強く求めるようになったのだ。
自分が管理する社会こそが蛮族の理想郷であるという建前の下、娘であるアーデルハイトを守る箱庭を作ろうとしたのである。ただしそれは、蛮族という種族の特性をゆがめているうえに、人族の奴隷の犠牲の上に成り立つことが前提である。
恐らくクリームヒルデ自身も、心のどこかでいつかその理想の終わりが来ると理解しているのかもしれないが、そこはドレイク特有の誇りの高さというか頑固さで、自分自身ではそれを認めることが出来ない。
クリームヒルデは、己の理想社会を阻む者には容赦しない。ただし、非常に合理的な性格をしているため、他のドレイクよりは話が通じやすく、交渉次第では仇敵であるファルフッジを倒すために、一時的にPC達に拠点の提供をしてくれるかもしれない。
所持している永遠の魔剣「エーヴィヒカイト」は時間・精神干渉系の強力なものであるが、それは他者を攻撃することより、守るための力だからこそ発達したのである。


娘のアーデルハイト(ドレイクバロン)は母であるクリームヒルデにならって規律を重んじてはいるものの、外の世界を知らないため、母親が破滅に向かっていることを理解できていない。その事実を直視させて説得できれば、エーヴィヒカイトへの突破口になるだろう。
なお、娘のアーデルハイトは無感情を装っているが、その実、エーヴィヒカイトの精神支配を受けてはいない。クリームヒルデは、実の子にそのような真似が出来るほど冷酷にはなりきれないのだ。

戦闘開始時には操霊魔法や練技で与えられるあらゆる効果が付加されているため、実質的な先制値は24。ヘイストやプロテクションⅡ、カンタマ、スペル・エンハンス、ソニック・ウェポンすらもかかっているため、1ラウンド目が鬼門。
特に、ヘイストが発動した際の魔力撃2d+49の2連撃を耐えられるものは、そういないだろう。
クリームヒルデは他のドレイク同様、バインド・オペレーションが非常に有効である。

竜形態のブレスは水・氷属性で、時を凍りつかせるほどの冷気を吐き出す。また、竜形態の部位:胴体は「○複数宣言=2回」と「☑魔力撃=+18ダメージ」を有している。

クリームヒルデを倒すと、エーヴィヒカイトは砕け散り、彼女の理想社会は終わりを告げる。剣を失ったドレイクとなったクリームヒルデは、その場で死ぬか、あるいは娘に支えられて生きていくかもしれない。